【2016夏の高校野球】《奈良観戦ガイド》有望選手と大会展望&勢力ピラミッド
7月10日〜28日(佐藤薬品スタジアム)
センバツ全国制覇の智辯学園が大本命!
覇者を苦しめるのは天理か関西中央か?
☆★☆ 投手編 ☆★☆
●まとまった好投手が点在
センバツ優勝投手の村上頌樹(智辯学園)は1年夏からマウンドに登る経験豊富な右腕。ピンチでも冷静なマウンドさばきを見せ、持ち味のテンポのよさで凡打の山を築く。2年生の松本竜也(智辯学園)は粗削りさが魅力に映る。
前田一希(奈良朱雀)は力のあるストレートだけでなく、変化球の緩急をつけるのがうまく、投球術に長けている。課題だった制球力はやや整備されてきたが、安定感が増せば楽しみな存在だ。
中内亮太(五條)は、体が強く馬力があり、重いストレートを投げる。将来性の高さを感じさせる右腕だ。今春、背番号は7だったが昨秋までエースだった稗田亮太(関西中央)も伸びのあるストレートを軸に強気のピッチングを見せる。
昨年の春夏の甲子園を経験した森浦大輔(天理)は、昨秋は腰痛のためノースローの時期もあったが、この春は徐々に回復。1年秋の近畿大会で大阪桐蔭打線を抑えたタテのスライダーは健在だが、制球力にやや不安定さが残った。しかし、昨秋から体重が3キロアップし、ストレートに力強さが増した。吉永悠真(畝傍)は、多彩な変化球のコンビネーションで打たせて取るピッチングが持ち味だ。1年生時からチームの中心選手として活躍した山本竜也(御所実)、安定感抜群の石橋拓也(高田商)、多彩な変化球で惑わす新木翔馬(法隆寺国際)にも注目したい。
▲森浦大輔(天理)
☆★☆ 打者編 ☆★☆
●下級生に楽しみな好素材多い
1年秋は1番、センバツでは3番に座った太田英毅(智辯学園)は、鋭いスイングが持ち味。「(前チームの正遊撃手だった)廣岡大志(ヤクルト)にも負けていない」と小坂将商監督も太鼓判を押す逸材だ。同じ2年生で強い存在感を放つのは福元悠真(智辯学園)。勝負強さも兼ね備えた長距離打者で、今春の県大会の決勝・天理戦ではホームランを放った。守備でもスローイングのよさを見せ、攻守で高い能力を発揮している。ほかにも長打力抜群のスラッガーである畠山開成(智辯学園)など有望な野手が下級生に多い。
小口丞太郎(関西中央)は、二塁送球1.82秒をマークするなどスローイングが光る捕手。3番打者としても鋭く振り切るスイングで広角に打球を飛ばし、俊足を生かした走塁も持ち味。走攻守三拍子揃った打者だ。その後ろを打つ水野誉之(関西中央)は100キロを超える体重から繰り出されるパワーは非凡で、今春の県大会・準決勝の智辯学園戦では無風の中で中越えアーチを放った。守備でも機敏な動きを見せ、走塁もいい。
1年夏からベンチ入りしている神野太樹(天理)は、ガッチリとした体から強い打球を飛ばし、守備範囲も広い。今春の県大会は1番打者として打線を引っ張り、バットでチームを鼓舞した。同じ1番打者の南太市郎(奈良大付)は、小柄ながら身体能力が高くチャンスメークがうまい。出塁すれば、相手投手にとっては脅威となりそうだ。大橋祥吾(奈良)は、フォロースルーが大きく、パワフルな打撃が持ち味で将来性豊かだ。秋春ともに大躍進した平城の中心選手は山城将裕。投げても上位校を脅かす存在だ。
▲太田英毅(智辯学園)
☆★☆ 大会展望 ☆★☆
●大本命の智辯学園を倒せるか?
智辯学園が大本命だ。エースの村上頌樹は安定したピッチングで凡打の山を築き、打者は福元、太田らを中心に巧打者が揃う。その後を追うのは天理。レギュラーは2年生が半数を占め、エースの森浦はキレのある変化球で勝負する。関西中央は強肩強打の小口を中心に多彩な攻撃を見せる。奈良大付は1番・南を筆頭に足を使った攻撃が多彩だ。伝統校・郡山は巧打者が揃い、復活の夏となるか。好投手・前田がいる奈良朱雀、五條、奈良などの公立勢にも注目だ。
地区勢力ピラミッド
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