日本プロ野球機構(NPB)は7日に6月の月間MVPを発表した。
【セ・投手】マイコラス(巨人)※初受賞
【セ・打者】畠山和洋(ヤクルト)※初受賞
【パ・投手】武田翔太(ソフトバンク)※初受賞
【パ・打者】秋山翔吾(西武)※2度目
セ・リーグでは来日1年目のマイコラスが4試合で3勝1敗、防御率1.16の好成績が評価された。また、畠山は打率.378、8本塁打、23打点でリーグの月間三冠王。意外にもプロ15年目にしての初受賞だった。
ここで、今年ここまでの月間MVP受賞者を振り返ってみよう。
【セ・投手】
3・4月度/高木勇人(巨人)※初受賞
5月度/大野雄大(中日)※初受賞
【セ・打者】
3・4月度/梶谷隆幸(DeNA)※初受賞
5月度/筒香嘉智(DeNA)※初受賞
【パ・投手】
3・4月度/大谷翔平(日本ハム)※初受賞
5月度/ディクソン(オリックス)※初受賞
【パ・打者】
3、4月度/秋山翔吾(西武)※初受賞
5月度/李大浩(ソフトバンク)※4度目(2014年6月以来)
見ておわかりの通り、今年の月間MVPはほとんどが初受賞者である、という特徴がある。例外なのは5月の李大浩だけだ。まさに新旧スター交代の時期にさしかかっているといえるのではないだろうか。
では、歴代スターたちはどの時期に初受賞を果たしたのか? 月間MVPの歴史を振り返ってみよう。
月間MVPの制度がスタートしたのは1975年のこと。MLBのプレイヤー・オブ・ザ・マンスを手本として、まずセ・リーグで始まり、1979年からパ・リーグもこれに続いている。
当初は投手部門・打者部門とはわかれておらず、リーグ内の全選手から1名が選ばれていた。そのため、第1号受賞者は一人しかいない。その栄えある人物は1975年4月に受賞した田淵幸一(当時阪神)。1975年の田淵といえば、43本塁打を放ち、王貞治の14年連続本塁打王を阻止した年だ。シーズン序盤からの好スタートが念願のタイトル奪取に結びついたことがよくわかる。
今回、秋山将吾が2度目の受賞をしたわけだが、歴代ではじめて複数回受賞した選手は誰だったのか? 正解は中日時代の星野仙一。1975年9月と1977年8月にそれぞれ受賞している。
また、今回の受賞者トピックスとしては畠山が15年目にして初受賞したことが挙げられる。では、過去において「もっとも遅い初受賞」は誰だったのか? それはヤクルトの先輩である宮本慎也。2011年4月に「40歳5カ月」で初受賞を果たしている。ちなみに、このとき、宮本と受賞を争ったのが皮肉にも畠山。6本塁打、打率.372を記録したが、打率.400をマークした先輩に席を譲った格好に。もし、このときに受賞していればプロ11年目で受賞できていたわけだ。
ちなみに、“初受賞”関係なく「最高齢受賞者」は、中日の生ける伝説・山本昌。2008年8月に43歳0カ月で受賞している。野手での最高齢受賞者は和田一浩(中日)で、2014年7月に42歳1カ月で受賞した。
一方、「最年少受賞者」もこれまた中日勢。1987年8月にデビュー戦でノーヒットノーランを飾った近藤真市が18歳11カ月で受賞。また、松坂大輔(当時西武)も1999年7月に18歳11カ月で初受賞を果たしている。ほかに高卒ルーキーで月間MVPを受賞したことがあるのは、セ・リーグでは2013年8月の藤浪晋太郎(阪神)、パ・リーグでは1986年9月の清原和博(当時西武)がいる程度だ。
月間MVPの獲得はスターへの第一歩であることは間違いない。だが、安定して長期間成績を残してこそ真のスターといえる。では、過去に最も多く月間MVPを受賞したスーパースターは誰なのか?
2013年に24勝0敗という成績を残し、5カ月連続(5月〜9月)受賞という荒稼ぎをした田中将大(当時楽天)で決まり。通算12回は、2位のイチロー(当時オリックス)の10回を越えて、文句なしの1位だ。もっとも、イチローも7年連続月間MVP受賞という連続記録を持っている。MLBでもスターになれる選手は、やはりNPBでも抜けた存在だった、というわけだ。
シーズンは折り返したところ。後半戦では歴代受賞者たちが奮起するのか? さらなる初受賞者が生まれるのか? はたまた最年長or最年少記録を更新する選手が現れるのかにも注目して、月間MVP受賞者をチェックしてみることをオススメしたい。