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引退選手、ここが凄かった! 『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』編

 今季もたくさんの名選手が別れを告げたプロ野球界。『週刊野球太郎』でも「俺たちは忘れない! 2013 引退選手 ここが凄かった!」と題した特集が組まれたように、スポーツ紙や各専門誌でも引退選手たちのさまざまなエピソードが綴られている。各紙、独自の目線や特集の組み方をしている中で、ひと際ユニークなのが、何を隠そう『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』で描かれた引退選手たちのエピソードだ。今回は、そんな「引退選手」のマル秘エピソードを、本書から抜粋して紹介していきたい。


同世代No.1遊撃手


 今年引退した選手の中で、日本野球界で木田と同僚だったのが宮本慎也。ヤクルト時代の2006年から2009年までの3年間、同じユニフォームに袖を通している。

 お馴染みの「守備」面の評価や、2000本安打を記録した「打撃」面の解説もさることながら、特に興味深いのが、宮本が木田に名付けた「あだ名」について。いつも雑誌を持ち歩いていたことから「キダクニヤ」と命名したというエピソードが披露されていた。選手間のコミュニケーションや関係性が垣間見えて面白い。

 そんな宮本には《尊敬できる年下の野球人の一人。引退後、これからのプロ野球界は、宮本が引っ張らないといけない》とエールを送っている。



日米を魅了した「荒れ球」投手


 引退選手の中には、アメリカ球界でチームメイトだった者もいる。それが、今季限りで西武のユニフォームを脱いだ石井一久だ。木田と石井は、ドジャース時代の2003年と2004年、そして日本に戻った後の2006年ヤクルト時代をともに過ごした仲。球数制限が厳しいMLBで、石井が壁当てをしていただけで怒られたエピソードを紹介したり、メジャーの洗濯物事情と石井の関係性など、他では絶対に読めない内容が記されている。

 また、石井一久といえば「荒れ球」。この荒れ球をキーワードに、いかに石井一久という投手が凄かったのかを解説しているのも石井ファンなら必見! 「コントロールが悪い投手」と、「石井の荒れ球」にはどんな違いがあるのか。日米通算182勝の秘密がここにある。



同級生スラッガーが演じた「戦い」


 チームメイト経験はなく、「名鑑」ページに掲載されていないものの、今季限りで中日を引退した山?武司のエピソードも本書の中で紹介されている。それが96年5月1日に起きた、巨人・ガルベスと山?による「ヘビー級の戦い」(ガルベスの投げたボールが山?武司の頭付近を通過したことから勃発した乱闘のことです)だ。「第2部 木田優夫の日米球界クロニクル」の中でイラスト付きで詳しく描かれている。

 また、別ページのコラムでは《同級生の山?武司が引退を発表。いよいよ同世代以上の現役選手が、山本昌さんと中嶋聡だけになってしまいました》と寂しさも募らせつつ、だからこそ、田口壮(元オリックスほか)や宮本慎也、小久保裕紀(元ソフトバンクほか)といった引退したばかりの野球人や、稲葉篤紀(日本ハム)や谷佳知(巨人自由契約)、山本昌(中日)など、まだまだ現役続行を表明している選手たちへの熱いメッセージも綴られている。

 そして、45歳にしてなお「現役」を続ける木田優夫の注目度も、トライアウトを機にますます高まりを見せている。プロ野球界のこれまでとこれからを繋ぐ本、それが『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』の一番の魅力なのだ。

※『木田優夫のプロ野球選手迷鑑』は新紀元社から好評発売中です。




文=オグマナオト/1977年生まれ、福島県出身。広告会社勤務の後、フリーライターに転身。「エキレビ!」では野球関連本やスポーツ漫画の書評などスポーツネタを中心に執筆中。また「幻冬舎WEBマガジン」で実況アナウンサーへのインタビュー企画を連載するなど、各種媒体にもインタビュー記事を寄稿している。ツイッター/@oguman1977

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