■1995年の成績
130試合:打率.244/29本塁打/80打点
所属球団:ヤクルト
8番スタメン数:40試合
(日本シリーズ4試合でも8番スタメン)
「恐怖の8番打者」でまず名前が挙がる助っ人は、間違いなくミューレンだろう。前年にロッテで23本塁打を放ち、ヤクルトにやってきたが、本塁打も三振も多い大砲タイプ。中軸としても申し分ない実力だったが、当時の監督は三振嫌いの野村克也氏。タスクが多く、なかなか力を発揮できなかったが、8月に打順が8番になると気が楽になったのか猛烈に打ちまくり、リーグ優勝、日本一に大きく貢献した。
今年の楽天の2番・ペゲーロを「掟破り」と渋い顔で語る野村氏だが、8番・ミューレンも結構な掟破りでは!?
■1993年の成績
120試合:打率.300/14本塁打/64打点
所属球団:ヤクルト
8番スタメン数:64試合
(日本シリーズ5試合でも8番スタメン)
「野村ヤクルト」では1993年のハドラーも忘れられない「恐怖の8番打者」。得点圏打率リーグトップの勝負強い打撃で日本一に貢献した。1991年の首位打者・古田もそうだが、実は野村監督のチームは8番打者がキーマンだったのかもしれない。
■2003年の成績
127試合:打率.301/0本塁打/36打点
所属球団:阪神
8番スタメン数:118試合
(日本シリーズ4試合でも8番スタメン)
2003年、阪神悲願の優勝時の8番打者・藤本敦士もしぶとく打率を稼いだ。7番・矢野燿大、8番・藤本、9番・ムーアの下位打線三連星は今でも語り草。
■1987年の成績
128試合:打率.273/22本塁打/66打点
所属球団:巨人
8番スタメン数:109試合
(日本シリーズ6試合でも8番スタメン)
「意外性の男」こと山倉和博が最大の意外性を発揮したのが1987年。好成績を残した8番・捕手は多いが、この年の山倉はリード面の評価もあり、MVPを受賞している。8番でMVPを受賞した野手は稀少中の稀少。歴代最強の8番打者といえるかもしれない。
文=落合初春(おちあい・もとはる)