7月10日〜26日(長崎ビッグNスタジアム)
今季の長崎投手陣は実戦で本領発揮する
群を抜く海星のスラッガー平湯の飛距離
●実力伯仲の実戦型投手たち
目玉や素材型というよりも実戦型が目につく今季の長崎投手陣。
たとえば、腕の振りが力強い右腕の石場匠(海星)。切れ味抜群のスライダーで空振り三振、引っ掛けさせてのゴロアウトが計算できる、トーナメント戦では重宝される投手だ。
182センチの長身左腕、水永悠斗(創成館)は、長いリーチをムチのようにしならせ、より前で球をリリースできる好投手。リリースが低いスリークオーターで、とりわけ左打者へのスライダーは有効だ。外野を守るパワースタイルの鷲崎淳を投手で起用することがあれば、タイプの違う両者の持ち味はさらに生きるはず。
佐世保実は左右両輪に注目したい。左の松本大晟は右打者の内角をえぐる度胸のよさが球威に現れ、外の出し入れもうまい。右の澤邊翼は制球力を生かした小気味いい投球が健在。先発した九州大会の九州国際大付戦では敗れたものの、繊細なコーナーワークでフライアウトの山を築き、3失点にまとめている。
清峰の福田丈一郎は、制球力が生命線。ストレート、変化球とも丁寧に低めに集め、打たせて取る投球を身上としている。130キロ台中盤で推移していた最速帯も、140キロ到達は目前だ。
福田拓真(小浜)は、伸びのあるストレートと打者の手元で鋭く曲がるスライダーが面白い。昨年夏の海星戦で故障したヒジの状態もよくなり、緩急を駆使した投球術に冴えが出てきた。
昨春の九州大会で途中登板し、いきなり140キロ超を叩き出したのは、小さな剛腕・柴崎康平(島原農)。平均130キロ台後半のストレートは、球威が加わり説得力がアップ。4番打者としての勝負強さも兼ね備える、天然の野球小僧である。
セ・リーグ新人王の大瀬良大地を兄に持つ大瀬良優人(長崎日大)。才能開花はまだだが、マウンド上での姿は兄そっくり。血統のよさは申し分ないだけに、今後の成長に期待したい。