8月30日から韓国で開催される「第29回 WBSC U-18 ベースボールワールドカップ」。日本からは侍ジャパンU-18代表が出場する。それに先立ち、8月26日に神宮球場で「侍ジャパン壮行試合 高校日本代表 対 大学日本代表」が行われる。
この壮行試合は今回が4回目となり、夏の甲子園が終了後の定番となりつつある。過去の3回はどのような戦いが繰り広げられたのか振り返ってみる。
■2015年 壮行試合
高校日本代表 2 対 9 大学日本代表(甲子園)
初めて高校日本代表対大学日本代表の壮行試合が行われたのは、2015年のこと。当時のメンバーを見ると、すでにプロ入りし実績を残している選手もちらほらいる。
大学日本代表を見ると4番に吉田正尚(青山学院大→オリックス)が座り2打席連続本塁打。高校日本代表に格の違いを見せつけた。その他にも横尾俊建(慶應義塾大→日本ハム)や高山俊(明治大→阪神)らがスタメン出場を果たしている。
投手陣は3年生だった田中正義(創価大→ソフトバンク)が先発し、同じく3年生の濱口遥大(神奈川大→DeNA)や柳裕也(明治大→中日)らも登板している。
一方の高校日本代表は1年生の清宮幸太郎(早稲田実→日本ハム)が4番。先発は夏の甲子園優勝投手である小笠原慎之介(東海大相模高→中日)だった。また、今秋のドラフト1位候補と目される森下暢仁(大分商高→明治大)も中継ぎで登板している。
試合は吉田の2本塁打や横尾の適時打などで9点を奪った大学日本代表が9対2で貫禄勝ち。高校日本代表は清宮が適時打を放ったものの、打撃力で完敗した。
■2016年 壮行試合
高校日本代表 0対5 大学日本代表(QVCマリンフィールド、現ZOZOマリンスタジアム)
2度目の開催となった2016年も大学日本代表が勝利した。初回に高校日本代表の先発・早川隆久(木更津総合高→早稲田大)を攻め立て一挙5得点。そのまま、投手陣が無失点リレーを見せ5-0で高校日本代表を退けた。
大学日本代表は4番に大山悠輔(白鴎大→阪神)、二遊間は吉川尚輝(中京学院大→巨人)と京田陽太(日本大→中日)とプロ入り後に活躍する選手たちが名を連ねた。また辰己涼介(立命館大→楽天)が、2年生にもかかわらず「3番・中堅」としてスタメンに抜擢され2安打を放っている。
先発したのは最上級生になった柳。2安打を許したものの、2回無失点、4奪三振とさすがの投球を見せた。
一方、高校日本代表は早川こそ5失点と打ち込まれたが、その後の6投手はいずれも無失点。藤平尚真(横浜高→楽天)、寺島成輝(履正社高→ヤクルト)、堀瑞輝(広島新庄高→日本ハム)、今井達也(作新学院高→西武)といった同年秋のドラフトで1位指名された投手たちが快投した。
とくに今井は2回を投げ被安打1の5奪三振。チームは敗れたものの、甲子園優勝投手の意地を見せた。
■2018年 壮行試合
高校日本代表 3対7 大学日本代表(神宮)
記憶に新しい2018年の壮行試合。この試合が3回のうち、もっとも点差の少なかった試合でもある。
大学日本代表は辰己の適時打、頓宮裕真(亜細亜大→オリックス)の本塁打で初回に3点を先制。2カ月後のドラフト会議で上位指名される選手たちが、結果を残した。
投手陣は甲斐野央(東洋大→ソフトバンク)がクローザーとして登板。1イニングを11球で締め貫禄を示した。
一方の高校日本代表は根尾昂(大阪桐蔭高→中日)が2安打、藤原恭大(大阪桐蔭高→ロッテ)も1安打1打点、小園海斗(報徳学園高→広島)は本塁打を含む2安打1打点。同年のドラフト1位で指名されることになる3人がさすがの打撃で球場を沸かせた。
ちなみに注目されていた吉田輝星(金足農高→日本ハム)は甲子園の疲れもあり、登板を回避している。
4回目となる今年の壮行試合。過去の大会を見てもわかるとおり、将来のプロ野球選手が数多く出場し力を発揮している。
試合が予定されている8月26日は月曜日。プロ野球の試合はない。多くの野球ファンが注目する舞台は整った。未来のスター候補生たちを目に焼きつけたい。
文=勝田聡(かつた・さとし)