パ・リーグの二塁手で真っ先に取り上げるのは、2015年、2016年に2年連続でゴールデン・グラブ賞を受賞した浅村栄斗(西武)。
大阪桐蔭時代に遊撃をこなした守備力が、プロでコンバートを重ねて二塁手として磨かれつつあり、炭谷銀仁朗や秋山翔吾とともに獅子のセンターラインを強固なものにしている。
一塁で136試合に出場した2013年には110打点で打点王を獲得。その打撃力は、二塁コンバートの影響か、ここ数年鳴りを潜めていた。しかし、昨季は3年ぶりに打率3割(.309)と20本超の本塁打(24本塁打)を記録するなど復調した。
今季は念願だった背番号3を背負い、やる気十分。開幕から絶好調で、4割を超える打率(.434)をマークしている。このまま打ち続けて侍ジャパンの二塁争いに食い込みたい。
なお、「背番号3で二塁手」といいうことに違和感を覚えるファンも少なからずいるはず。筆者もその口だが、新たしい二塁手像を打ち立てる活躍に期待したい。
2人目は今季から二塁手に挑戦することになった鈴木大地(ロッテ)。
入団以来、主に遊撃手としてプレーし、2013年と2916年にはベストナインに選出。昨季も143試合に出場したロッテのキャプテンだ。二塁手としては新参者だが、今季の成績を見ると「二塁手こそ天職だったのでは」と思いたくなる。
主に5番、3番に入って打率.391、14試合連続出塁と売りだった打撃がさらに輝きを増しているのだ。
チーム打率が2割を切る状況で、周囲に引きずれられない安定した打棒は頼りになる。シーズン後、どんな成績になっているか今から楽しみだ。
パ・リーグ最速の10勝を挙げ、波に乗る楽天。好調なチームのなかで今後の動向が気になるのが「二塁・銀次」というオプション。
シーズン前の練習試合で4年ぶりに二塁の守備に就き、開幕戦も二塁。ここまでの12試合のうち4試合で二塁に就いている。
最近6試合は藤田一也に譲っているが、「二塁・銀次」が定着すれば12球団トップのチーム打率を誇る打線がさらにパワーアップするはず。
梨田昌孝監督には強力打線構築に向かって「二塁・銀次」をこれからもトライしてもらいたい。
また、日本ハムでは、チーム状況で指名打者や一塁を任されている田中賢介の代役として、ルーキーの石井一成(早稲田大、ドラフト2位)が台頭するなど、ニューフェイスの二塁手も飛び出している。
あらたな人材があらたなポジション像を作りだしつつある二塁は今季注目だ。刮目して見るべし!
(成績は4月17日現在)
文=森田真悟(もりた・しんご)