【2013甲子園出場・見逃し厳禁な4選手!】
【2013甲子園出場・見逃し厳禁な4選手!】
高校野球ドラフト候補名鑑
安樂 智大 Tomohiro Anraku
済美(愛媛・2年)
投手/186cm85kg/右投左打
・プロ注目度…A
・体のキレ……B
・伸びしろ……B+
・頭脳…………A
・将来性………A
☆鉄腕ぶりで話題さらった2年生右腕
センバツで772球を投げ切った伊予の怪腕。スカウト陣が野茂英雄(元ドジャースほか)、江川卓(元巨人)、尾崎行雄(元東映)の名前まで出してその凄さを語った今春。センバツ後は“連投問題”が大きな議論を生んだが、当の本人はどこ吹く風のたくましさ。見ていても少々のことで不安を感じないのは、超高校級の内面を持っているから。とにかく意識が高く貪欲で、吸収力、対応力も十分。投球練習を見ていても投球の前後、合間には入念なストレッチを入れる。筋肉を決して硬くさせない意識の表れで、会話の中身も含め、とにかく意識が高い。150キロも凄いが、何より成功する投手のメンタルを高校2年生の時点ですでに備えている点こそ、最大の強みだ。
<取材中の顔>
語れる男だ。センバツ後も各方面からの取材が続き、今回の取材も時間は長く取れなかったが、安樂の言葉数の多さと、的確な表現力に救われた。それも普段の高い意識があってこそ。
<プロでこんな選手に!>
野茂英雄(元ドジャースほか)
<最大の武器>
尽きぬ向上心
<克服したい課題>
軸足の使い方
<安樂伝説>
2年春にして152キロ。5試合46イニングで772球を投げ抜いたセンバツそのものが、伝説としてこの先も語り継がれるだろう。ただ、それも安樂伝説の序章。さらなる驚きはここから。
<ベテランスカウトの眼>
<中田宗男スカウト部長(中日)>
野茂を思い出した春の快投
甲子園の投球を見ながら野茂を思い出しました。野茂の素晴らしさは、あの体にしてゴムまりのように柔らかい筋肉があったこと。それが爆発力にもつながったのですが、通じるものを感じます。まだ2年生。上体が沈むフォームも体ができてどうなっていくのか。右打者のアウトローに球を引っ張ってこられるようになった時が楽しみ。
<鳥原公二チーフスカウト(ヤクルト)>
馬力型の今後の推移が楽しみ
2年生にしてあの体で、あれだけのストレートを放っている。どちらかというと馬力型のピッチャーですね。プロが好むのはしなやかで柔らかいピッチャーですが、投手陣の中で1割は馬力型のピッチャーが欲しいもの。来年どう変わってくるかじっくりと見たいです。順調に成長すれば、ドラフト1位候補に入ってくるでしょう。
森 友哉 Tomoya Mori
大阪桐蔭(大阪・3年)
捕手/170cm80kg/右投左打
・プロ注目度…A
・体のキレ……B+
・伸びしろ……B+
・頭脳…………B
・将来性………B+
☆小柄でも屈指の打撃技術誇る捕手
ミートセンスにかけては、大阪桐蔭歴代トップクラスのバットマン。見れば見るほど170センチという身長の低さこそ、今の打撃を可能にしていると思えるようになってきた。さらに長くない足を軽く折って重心を下げ、構えた時の目線が球をとらえるまで上下にぶれない。「最後まで目線の高さが一定」と言っても厳密には動いている選手がほとんどの中、限りなくその上下動がない。驚異のミート力につながる基本中の基本だろう。また、バットを長く使い、ヘッドを利かせて飛ばす技術には全盛期の小笠原道大(巨人)を思い出す。小笠原は打を生かすためプロ入り後、捕手から内野手へコンバートされたが、森はどうなっていくのだろう。大きな注目ポイントだ。
<取材中の顔>
森取材を振り返り、話が膨らんだ! と思った経験があまりない。打撃についていつも探ろうと迫るが本人はだいたい「あんまり考えてないないので…」。感覚派、天才肌…ということか。
<プロでこんな選手に!>
小笠原道大(巨人)
<最大の武器>
安定目線とヘッド使い
<克服したい課題>
投手心理つかんだリード
<森伝説>
打撃のルーツは幼少期に毎晩、父と行ったティー打撃にある。緩急をつけ、コースをランダムに上げる父のトスを打つ中で自然に反応、対応力が磨かれた。イチロー(マリナーズ)を思い出す逸話だ。
<ベテランスカウトの眼>
<中田宗男スカウト部長(中日)>
上背気にならない打撃技術
打ち損なった打席が記憶にない。軸回転がしっかり身につき、対応できるポイントが広い。ここまでの技術があれば上背を気にすることもないでしょう。ただ、先を考えた時に、打撃を生かすために捕手以外のポジションを…と考えるのか、捕手をやってきたからこその打撃と考えるのか。このあたりが各球団の考え方になるでしょう。
<鳥原公二チーフスカウト(ヤクルト)>
木製バットでもすぐ対応可能
バッティングはすぐに木製バットに対応できる技術を持っています。何よりいいのは広角に長打を打てること。パワーだけでなく、打ち分けるミート力を兼ね備えています。プロで長くやっていくには、個人的には内野、特にセカンドで鍛えたらどうかと思いますね。あれだけ打てますから、内野ができれば面白い野手になりますよ。
上林 誠知 Seiji Uebayashi
仙台育英(宮城・3年)
中堅手/184cm80kg/右投左打
・プロ注目度…B+
・体のキレ……A
・伸びしろ……B+
・頭脳…………B
・将来性………B+
☆飛距離も伸ばしてきた巧打者
今春センバツでワンバウンドのボールを二塁打にしてみせた快打が記憶に新しい。昨秋の東北大会では2試合連続本塁打、明治神宮大会では満塁弾と常に何かをやってくれる選手だ。4月末に左足を負傷したが、その間にじっくり体を作り、体重が5キロアップ。練習では130メートル先のバックスクリーンを越える打球を放ち、佐々木順一朗監督が「歴代でもそういない」と目を丸くするほど。復帰した県大会初戦はあわや場外弾かと思わせる特大ファウル。「怪我の功名」で、広角に打ち分ける好打者から飛距離も兼ね備えた力強い打者に成長しつつある。
<プロでこんな選手に!>
稲葉篤紀(日本ハム)
<最大の武器>
強打と足の速さ
<克服したい課題>
マークされた中での打撃
<上林伝説>
なんといってもセンバツ・創成館戦での「ワンバンド打ち」だろう。2回2死満塁で飛び出したわけだが、上林は一塁で止まらず、二塁を陥れた。見事な状況判断に拍手。
園部 聡 Satoshi Sonobe
聖光学院(福島・3年)
一塁手/184cm88kg/右投右打
・プロ注目度…B+
・体のキレ……B
・伸びしろ……B+
・頭脳…………A
・将来性………B+
☆アーチ量産する聖光最強打者
斎藤智也監督をして「聖光史上ワンランク上の打者」と言わしめる長距離砲。巧打者に必要不可欠である、グリップがトップの位置に到達した時点で踏み込む左足が地面に着地する「割れ」を自分のものにしたことによって、変化球にタイミングが外されても右中間に力強い打球を放つことが可能に。高校生離れした157キロのスイングスピードも魅力で、ファーストストライクの安打率が高い点も見逃せない。センバツを終えてから春季大会開幕までの約1カ月で10本塁打と、ハイペースでアーチを量産。夏の結果次第ではドラフト1位指名もある。
<プロでこんな選手に!>
和田一浩(中日)
<最大の武器>
好球必打の確実性
<克服したい課題>
外角の変化球の対応
<園部伝説>
聖光学院に入学直後はBチームだったが、当時3年生でプロ注目の右腕・歳内宏明(阪神)の決め球スプリットを幾度もとらえるなど、非凡な才能を発揮していた。
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