週刊野球太郎
中学、高校、プロ・・・すべての野球ファンのための情報サイト

福島の有望選手、大会展望

7月10日〜25日(開成山野球場ほか)

戦国福島にプロの視線を集める右腕続々
聖光学院・安田は猛特訓で巻き返し狙う


投手編


▲大和田啓亮(日大東北)

スカウト注目の投手が揃う

「県ナンバーワン投手」は間違いなく大和田啓亮(日大東北)。最大の武器はストレートで、常時130キロ台後半のボールにはキレがあり制球力も高い。昨秋の県大会で聖光学院の95連勝をストップさせたことで注目度が急激に上がり春先は悩んだが、「自分のリズムで投げることを意識しよう」と、中村猛監督とメンタル面を強化。インナーマッスルや下半身も徹底的に鍛え、春の県大会では安定した投球を実現させた。

 大和田の対抗馬となる投手は菅野秀哉(小高工)だろう。3月に腰を負傷、4月にも右足首のねん挫で出遅れたが、春季大会初戦では13奪三振完封と圧巻の投球を見せ、視察に訪れた10球団のスカウトをうならせた。スライダー、カーブなど変化球を織り交ぜる緩急自在の投球は、成長過程ながらレベルアップしている。

 持地克哉(福島工)もスカウトの視線を集める投手の1人だ。支部予選では6球団がチェック。フォームは粗削りだが最速141キロのストレートには力があり、チェンジアップは「やっかい」と各校の監督が揃って口にするほど。

 名門・聖光学院の投手陣も黙ってはいない。春にエースナンバーを背負った船迫大雅はサイドスローの技巧派。最速は132キロながらスライダー、カーブに加え、ウイニングショットにシンカー、チェンジアップを巧みに操る。昨年から主戦を務める石井成は、不振により春先は控えに回ったが、精度の高いチェンジアップやコーナーワークは健在。横山博英部長が「今は高みを目指している最中」と語るだけに、夏は一皮むけた姿を見せてくれるだろう。

 松下圭太(福島)は急速に力をつけている。オフに5キロのランニング、3キロのダッシュを続け球速は142キロまでアップ。下半身強化で球威も格段に増した。

「県ナンバーワン左腕」の呼び声のある田積悠(福島商)も成長株。最速134キロのストレートは伸びがあり、スライダー、カーブ、チェンジアップを織り交ぜ、回ごとに配球を変える投球が光る。

 左腕では、昨秋に東北大会を経験した常松榛輝(須賀川)、榊枝優(須賀川桐陽)は切れ味鋭いスクリューが武器の好投手。白河実の小林和真は安定感で勝負する。

打者編

▲手塚周(福島)

巧打者の技術の高さが光る

 巻き返しを目指す聖光学院で注目の選手は4番の安田光希だ。冬場から「1日1000スイング」を課したことで打撃が安定するようになり、一発も高校通算19本塁打。外角の変化球を右方向へライナーで打ち返す技術は県屈指だ。

 バットコントロールなら深谷浩太(日大東北)も負けていない。インパクト時の力の入れ具合、腰の使い方が絶妙で通算14本塁打とパワーもある。中学時代に100メートル県2位の11秒6を記録した足で長打を量産する。

 春は外野手の出場となった手塚周(福島)は本来エースで、スカウトも注目する逸材。制球力とチェンジアップのキレに定評がある一方で、打撃でも逆方向へ打ち返す技術に長けるなど、巧さが光る。

 支部予選で2本塁打と長打をアピールした今井幸哉(福島商)、昨夏のベスト4メンバーである赤間大樹(福島東)も好素材だ。

大会展望
「2強」に風穴を開けるのは?


好投手・大和田を擁し昨秋の福島を制した日大東北と夏7連覇中の聖光学院が他を引き離している。両校に風穴を開けられるとすれば小高工か。エース・菅野が「貧打」をカバーできるだけの投球を続ければ可能性はある。学法石川は、投打がかみ合えば上位進出を望めるだろう。ダークホースは福島だ。松下、手塚の両投手が機能すればジャイアントキリングも十分あり得る。福島商と福島工はエースの出来がカギ。春季大会で小高工・菅野を攻略した、いわき光洋の存在も怖い。


記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします
本誌情報
雑誌最新刊 野球太郎No.32 2019ドラフト直前大特集号 好評発売中
おすすめ特集
2019ドラフト指名選手一覧
2019ドラフト特集
野球太郎ストーリーズ
野球の楽しみ方が変わる!雑誌「野球太郎」の情報サイト
週刊野球太郎会員の方はコチラ
ドコモ・ソフトバンク
ご利用の方
KDDI・auスマートパス
ご利用の方