7月の月間打率は.437、本塁打は13本(7月27日終了時点)。7月19日、20日、22日は、史上初の3試合連続2本塁打を放つなど、夏バテとは無縁の大暴れを見せているのがDeNAの筒香嘉智だ。
これでシーズン成績も、打率.331(.021差のリーグ2位)、29本塁打(1本差の同2位)、67打点(10打点差の同3位)と、打撃タイトル独占の勢いだったヤクルトの山田哲人を脅かすところまで数字を上げてきている。
とくに本塁打は、キャリアハイだった2015年の24本をすでに大きく上回る29本を放っており(7月27日終了時点)、長距離バッターとして、もう完全に仕上がったと見ていい。この調子を維持できれば、来春のWBCで4番を任されるのは筒香でまず間違いないだろう。
2014年に自身初の打率3割を記録した筒香。2014年から今季までの左右投手別の打率は以下のようになっている。
2014年=通算打率.300
右投手=打率.298
左投手=打率.304
2015年=通算打率.317
右投手=打率.286
左投手=打率.370
2016年=通算打率.331
右投手=打率.351
左投手=打率.305
(7月27日終了時点)
「左打ちは左投手が苦手」というのが野球界の定説だが、筒香は、左打ちながら、もともと左投手を苦にしていなかったところに加えて、右投手もしっかり打てているのが今季ということになる。
筒香の所属するDeNAは、12球団で唯一、CSに出たことがない。CSが始まったのが2007年で、最後のAクラスは2005年(3位)。1998年にマシンガン打線と大魔神・佐々木主浩らの活躍で優勝したのは、もはや伝説と化しつつある。
しかし今季は7月27日の勝利で、6月12日以来の勝率5割復帰を果たし、リーグ3位をキープ。4位のヤクルトとは5.5ゲーム差をつけている。
近年は、前任の中畑清監督のアピールもあって観客動員は増え、ファンも盛り上がってきているだけに、このチャンスは逃したくないところ。そのためにも、筒香の活躍は不可欠だ。
文=藤山剣(ふじやま・けん)