今年6月、スポーツニッポン紙上で「12球団マスコット総選挙」なる企画が取り上げられ、話題になったのをご記憶の読者も多いのではないだろうか。そこで実際に選挙が行われたわけではなかったが、球団運営、ファン施策にとって、今やなくてはならない存在なのが「球団マスコット」だ。
人気の指標は多々あるだろうが、今の時代、「ネットでどれだけ話題になったか」「検索されるのか」も重要な尺度のひとつだ。そこで今回は、「マスコット名+球団名」の組み合わせでGoogle検索にかけ、どのマスコットの「検索ヒット数」が多かったのかをランキングにしてみた。あなたの贔屓球団のマスコットの順位は?
※検索は11月10日時点のものです。日時によって数には変化が生じる点はご了承ください。
[検索数]278,800件
僅差で4位だったハリー・ホーク。実は2006年に「倍返し。」のスローガンの下<ロッテ戦限定で「スーパーハリー」に変身する>という過去があり、今年の「倍返しブーム」で密かに話題を集めていた。
[豆知識]モチーフは「鷹」。背番号は「100」。家族が多いことで有名。
[検索数]197,000件
マスコット界のご意見番・つば九郎がまさかの5位。もっとも、毎年注目を集める年俸交渉はまだこれから。今後、急激なランクアップも大いにあり得る。
[豆知識]モチーフは燕。背番号は「2896」。ドアラとはデビュー年(1994)が一緒、という因縁の間柄。12球団のマスコットで唯一、ユニフォームを着用しない露出狂。
[検索数]186,000件
運動神経抜群の阪神・トラッキーが5位。先月のハロウィンの際、SPEEDの上原多香子が夫と2人で「トラッキーとラッキー(トラッキーの彼女)」に仮装した画像が話題に。このおかげでヒット数も増えたと思われる。
[豆知識]モチーフは「虎」。背番号の「1985」は優勝年だからではなく、デビュー年。
以下、Bクラスの6位以下は結果と豆知識のみを紹介。来季以降のさらなる話題作りを期待したい。
[検索数]125,000件
[豆知識]モチーフは「ライオン」というよりも、『ジャングル大帝』の主人公。背番号はない。
[検索数]102,000件
[豆知識]モチーフは「ウサギ」。背番号「333」は、あのミスターこと長嶋茂雄氏にもらったもの。
[検索数]91,000件
[豆知識]モチーフはなく、架空の生き物。背番号は「!」。スラィリーの名は英語の「Slyly(ひょうきん・いたずら好き)」から。
[検索数]68,600件
[豆知識]モチーフは「ハムスター(浜+スター)」。背番号は「☆(1スター)」。身長はボール5個分…ハローキティ(りんご5個分)路線を目指している!?
[検索数]61,100件
[豆知識]モチーフは「ニホンイヌワシ」。背番号「10」は“ファンの番号“として楽天球団唯一の永久欠番になっており、ファンの代表として身につけているという。
[検索数]31,500件
[豆知識]モチーフはバファローとレイヨウ類の一種オリックスを掛けあわせた架空の生き物。背番号は「111」。なお、参考記録として、妹のバファローベルのヒット数「94,400件」(兄の3倍!)も追記しておきたい。
以上が12球団マスコット検索数ランキングの調査結果だ。日本一を争ったジャイアンツ、楽天のマスコットは“検索数”では下位で、パ・リーグ最下位の日本ハムは1位という逆転現象が興味深い。
また、最近人気のバファローベルも参考記録として算出したが、予想よりもかなり少なかった。これは、「ベルたそ」「ベルちゃん」と呼ばれることも多いことと、「バッファローベル」と小さい「ッ」込みの間違った表記で認識している人も多く、その分、検索ヒット数が分散してしまったと思われる。
いずれにせよ、マスコットの人気に必要なのは、球団や選手の人気同様、普段からの地道な活動だ。ドアラ、つば九郎の二大巨頭が、1位はならなかったが安定した人気を誇っているのがその証でもある。また、近年はマスコット同士の交流やライバル関係なども注目の的になっている。来シーズンも趣向を凝らしたパフォーマンスに期待したい。
文=オグマナオト/1977年生まれ、福島県出身。広告会社勤務の後、フリーライターに転身。「エキレビ!」では野球関連本やスポーツ漫画の書評などスポーツネタを中心に執筆中。また「幻冬舎WEBマガジン」で実況アナウンサーへのインタビュー企画を連載するなど、各種媒体にもインタビュー記事を寄稿している。ツイッター/@oguman1977