10月14日(土)から16日(月)の3日間で行われるクライマックスシリーズ・ファーストステージ。今回はパ・リーグのクライマックスシリーズを展望してみたい。
パ・リーグのファーストステージはシーズン2位の西武と同3位の楽天が、ソフトバンクへの挑戦権をかけて3試合を戦う(順位は10月1日現在)。今季の直接対決では1つの引き分けを除き、西武が15勝、楽天が7勝で、西武が大きくリード。特に、8月以降は10勝1分で、そのうち3点差以上が8試合と圧倒した。
ただ、西武にひと頃の勢いはなく、また楽天も最悪の不調期は脱しているだけに、一方的なゲームにはならないはずだ。
注目はやはり初戦。おそらく菊池雄星(西武)と則本昂大(楽天)の先発となるだろうが、菊池は、楽天戦で7勝0敗、防御率0.78と完全にカモにしている。一方の則本は、西武相手に3試合に登板し0勝2敗、防御率7.11と打ち込まれている。
この数字通りなら西武が先勝し、その勢いで一気にファーストステージを突破する可能性が高まる。
楽天は、気持ちで投げる則本の熱投、さらには20本塁打超えの外国人トリオの奮起に期待したい。菊池を攻略し初戦を取るようだと、美馬学、岸孝之が控えるだけに、勝ち上がりの目も出てくる。
ファイナルステージは、10月18日(水)から6日間の日程で行われる。リーグ優勝のソフトバンクに1勝のアドバンテージがあり、それも含めて先に4勝したほうが日本シリーズ進出となる。
ソフトバンクから見た直接対決の成績は、西武とは16勝9敗、楽天とは13勝11敗。いずれも勝ち越してはいるが、相性がいいのは西武。特に、今回の舞台となるヤフオクドームに限れば、西武を11勝1敗と叩きのめしており、逆に楽天には5勝7敗と負け越している。ソフトバンクとしては、西武が勝ち上がってきたほうが組み易い。
ちなみに今季、ソフトバンクのヤフオクドームでの成績はトータル47勝19敗で勝率.712。やはり地の利はある。
先発陣も、いわゆる「表のローテ」を初戦から使えるソフトバンクに対し、西武、楽天のどちらが勝ち上がってきたとしてもファーストステージで登板した投手は間隔が短くなることもあって最初からは使いにくい。この点でもソフトバンクが有利だ。
柳田悠岐の戦線離脱、9月25日の楽天戦では千賀滉大が6回7失点で炎上と、投打に不安要素がないわけではないが、それでも、1勝のアドバンテージもありソフトバンクの優位は動かせないところ。しかし、過去、何度もクライマックスシリーズで苦杯を飲んでいるだけに、もちろん油断は禁物。レギュラーシーズンをパ・リーグ史上最速で制した実力を存分に発揮できるか。
(成績は10月1日現在)
文=藤山剣(ふじやま・けん)