週刊野球太郎
中学、高校、プロ・・・すべての野球ファンのための情報サイト

羽生、入江、川淵、オカダ・カズチカ……まだまだいた、プロ野球界にコイツが欲しい!

錦織圭(テニス)
甲斐昭人(ハンドボール)
佐藤寿人(サッカー)
武豊(競馬)
大野均(ラグビー)
葛西紀明(スキージャンプ)

 このオフ、『週刊野球太郎』では多種多様な競技のアスリートに目を向け、「もしこの選手が野球界に転身したら……」という「if」を取り上げてきた。もちろん、彼らが野球に挑戦してすぐに活躍する、なんてことはないだろう。野球はそんなに甘くない。

 むしろ狙いは、「野球界はもっと学ぶべきことがあるのでは?」という視点だ。登る山は違っても、山頂からの景色、そして山頂に至るまでの苦労には共通点もあるはずだ。

 今回のシリーズで取り上げた例はまだまだほんの一部。候補に挙がったアスリートはまだまだ大勢いる。そんな「野球界にコイツが欲しい」を総ざらいしたい。

異次元の世界王者から精神的な強さを学ぶ


 目下「史上最強」といっていい強さを見せているのがご存じ、フィギュアスケートの絶対王者・羽生結弦だ。彼の強さの要因といえば、ミスのないジャンプや表現力などそれこそ挙げればキリはない。だが、今季の強さで特に目を見張るのが「精神力」だ。特に、「異次元の史上最高点」という好記録で優勝した次の試合で、さらにその記録を更新する強さは並大抵のことではない。


 また、昨季は試合前練習で流血する負傷をしながら、「五輪金メダリストとして滑り続ける責務がある」と、ふらふらになっても演技をやり抜いたシーンは世界中から感動を集めた。

 今季、2年連続でのトリプルスリーを狙う山田哲人・柳田悠岐にこそ、彼らの「続けて記録を作る難しさ」に挑戦してもらいたい。加えて、羽生は大谷翔平や藤浪晋太郎と同じ1994年生まれ。同世代の彼らにこそ、世界のトップを走り続ける精神力の強さを学んでもらいたい。


「二刀流」選手はまだまだいる


 大谷翔平の登場以降、すっかりおなじみになった「二刀流」。今回のテーマでも、「二刀流」をキーワードに様々な選手の名前が挙がった。

 まずはラグビー界から、昨年のイングランドW杯でも活躍したスピードスター、山田章仁(パナソニック)。かつてアメフトも同時にプレーしていたという「タフネス二刀流」のパワーに期待する声があった。また、同じラグビーW杯戦士である筑波大学4年の福岡堅樹は、将来医者になるのが夢、という「文武両道」。こうした話題性こそ野球界に欲しい!

 バスケ界にも「文武両道」を極める人物がいる。千葉ジェッツの岡田優介だ。デカくて動ける、という特徴もさることながら、トップレベルでプレーしながら公認会計士になった頭脳と忍耐力の持ち主でもある。バスケ分裂問題では選手会会長として意見や情報を発信したリーダーシップも、ぜひとも見倣いたい点だ。

水泳界からは「世界一美しいフォーム」といわれる背泳ぎの入江陵介。その美しいフォームの原動力である肩関節の柔軟性と可動域の広さ、何より腕をぐるぐる回す様は「マエケン体操」に通じるものがある。また、ピアノもかなりな腕前とのことで、その指先の細やかさから、多彩な変化球を操る可能性に期待したい。


格闘家の「たくましさ」を身につけろ!


 今回、名前が挙がった競技で特に多かったジャンルが「格闘技」だ。たとえば「元・明徳義塾野球部」という球歴を持つ関本大介(大日本プロレス)。高校時代は全く出場機会が無く、筋トレばかりしていたという関本。プロレスの舞台でさらに鍛え上げたパワーを、もう一度野球で見せて欲しい。他にもプロレス界からは、飯伏孝太(新日本プロレス・DDT)やオカダ・カズチカ(新日本プロレス)など、驚異的な身体能力を誇る人気レスラーの挑戦を推す声も。

 194センチ208キロという的の大きさ活かしてキャッチャーに挑戦して欲しい! と名前が挙がったのが大相撲・モンゴル出身力士の逸ノ城だ。母校である鳥取城北高OBには川口和久、能見篤史という名サウスポーがいるだけに、投手心理、とくに左投手の活かし方の極意も学べるのでは……というのはさすがに期待しすぎか!?


名将、指導者こそ野球界の人材難


 野球界のご意見番、野村克也氏が最近、よく嘆く話題がある。それが「球界指導者の人材難」だ。自身がもう一度現場復帰したい気持ちの裏返し、とも取れるが、「ならば異分野からの招聘を!」という考えがあってもいいはずだ。

 そこで候補にあがったのが、バスケ界からは「日本一元気な75歳」こと、新潟アルビレックスヘッドコーチの中村和雄氏。他にも元バスケ日本代表監督でもある千葉ジェッツヘッドコーチのジェリコ・パブリセビッチ氏など。

 バレー界からはJTサンダーズを創部84年目にしてリーグ初優勝に導いたヴェセリン・ヴコヴィッチ監督、豊田合成を全天皇杯初優勝に導いたアンデッシュ・クリスティアンソン監督など、結果を出した名将を推す声が。

 ラグビー界からは日本代表ヘッドコーチの座を断ったロビー・ディーンズ(パナソニック)氏、そして清宮パパにして五郎丸育ての親でもある清宮克幸(ヤマハ発動機)氏などの名前が挙がった。

 また、監督ではなく「コミッショナー」として招聘したいのが、Jリーグ初代チェアマンの川淵三郎氏。昨年は日本バスケットボール協会会長に就任して日本バスケ界の分裂問題を解決。その「豪腕」ぶりは健在だった。この「川淵コミッショナー案」は、実は野村克也氏も提唱している。なかなか改革が進まない野球界には、このくらいの劇薬がちょうどいいのかもしれない。


 「野球界で見てみたい」と名前が挙がったのはこれでもまだほんの一部。いよいよキャンプが始まり球春到来! という季節ではあるものの、野球をさらに深く掘りさげるうえでも、さまざまな競技に目を向けてみると野球をより多角的に楽しめるのではないだろうか。


文=オグマナオト(おぐま・なおと)

記事タグ
この記事が気に入ったら
お願いします
本誌情報
雑誌最新刊 野球太郎No.32 2019ドラフト直前大特集号 好評発売中
おすすめ特集
2019ドラフト指名選手一覧
2019ドラフト特集
野球太郎ストーリーズ
野球の楽しみ方が変わる!雑誌「野球太郎」の情報サイト
週刊野球太郎会員の方はコチラ
ドコモ・ソフトバンク
ご利用の方
KDDI・auスマートパス
ご利用の方