なぜなら、大阪を除く48地区では春季大会上位校がそのまま夏のシード権を獲得するシステムを採用している。特に激戦区では酷暑による疲労もかなりのものなので、1試合多いのか少ないのかが甲子園行きに大きな影響を及ぼすのだ。
たとえば、清宮幸太郎擁する早稲田実(西東京)は春季都大会の2回戦でまさかの敗北。夏はノーシードとなり、ファンやOBから溜息が漏れる展開になっている。もちろん夏もまだ希望はあるが、激戦区においてはそれほど夏のシード権は重要なのだ。
また近年は前哨戦の色合いも濃くなっている。かつては夏の大会に向けて、選手層の拡大に努めたり、エースを温存する(隠す)など、実力がそのまま表れないイメージもあったが、昨今のトレンドは選手層の厚さ=強さ。さまざまな選手に経験を積ませながら勝ち上がる力が夏の結果に直結する。
実際、昨夏の甲子園出場49校のうち、17校が春季都道府県大会を制している。(※南北海道、東東京は春最高順位の北海、関東一がそれぞれ夏に優勝)
真夏の甲子園への第一歩ともいえる春季大会。夏への期待がかかるのはどこだ!? 都道府県別に春の王者をまとめてみた。
≪北海道・東北≫
北海道:札幌大谷(南北海道)
※春季北海道大会は南北合同の北海道道大会。北北海道の最高成績は白樺学園のベスト4。
青森:八戸西
岩手:一関学院
秋田:能代
山形:酒田南
宮城:東陵
福島:光南
☆春季東北大会は6月9日から
≪関東≫
東京:関東一(東東京)
※春季大会は東西合同。西東京の最高成績は東海大菅生のベスト4。
茨城:常総学院
栃木:文星芸大付
群馬:前橋育英
埼玉:浦和学院
千葉:東海大市原望洋
神奈川:横浜
山梨:東海大甲府
☆春季関東大会
優勝:前橋育英(群馬1位)
準優勝:横浜(神奈川1位)
ベスト4:関東一(東京1位)
ベスト4:、日本航空(山梨2位)
≪北信越≫
長野:松本第一
新潟:新潟明訓
富山:富山第一
石川:星稜
福井:福井工大福井
☆春季北信越大会
高岡商(富山2位)、星稜(石川1位)
優勝:星稜
準優勝:高岡商
ベスト4:新潟明訓(新潟1位)
ベスト4:富山第一(富山1位)
≪東海≫
静岡:常葉学園橘
愛知:享栄
岐阜:県岐阜商
三重:いなべ総合学園
☆春季東海大会
優勝:常葉学園橘(静岡1位)
準優勝:県岐阜商(岐阜1位)
ベスト4:いなべ総合学園(三重1位)
ベスト4:津田学園(三重2位)
≪近畿≫
滋賀:光泉
京都:京都翔英
大阪:履正社
兵庫:明石商
奈良:智辯学園
和歌山:智辯和歌山
☆春季近畿大会
優勝:履正社(大阪1位)
準優勝:智辯学園(奈良1位)
ベスト4:明石商(兵庫1位)
ベスト4:智辯和歌山(和歌山1位)
≪中国≫
岡山:おかやま山陽
広島:崇徳
鳥取:倉吉東
島根:開星
山口:早鞆
☆春季中国大会
優勝:崇徳(広島1位)
準優勝:早鞆(山口1位)
ベスト4:開星(島根1位)
ベスト4:倉吉東(鳥取3位)
≪四国≫
香川:大手前高松
愛媛:川之江
徳島:鳴門
高知:高知
☆春季四国大会
優勝:高知(高知1位)
準優勝:川之江(愛媛1位)
ベスト4:大手前高松(香川1位)
ベスト4:明徳義塾(高知2位)
≪九州≫
福岡:西日本短大付
佐賀:佐賀商
長崎:大村工
熊本:九州学院
大分:大分
宮崎:富島
鹿児島:神村学園
沖縄:糸満
※海星(長崎)、秀岳館(熊本)、日南学園(宮崎)、鹿児島実(鹿児島実)はセンバツ出場のため、県大会には参加できず、推薦枠で九州大会へ
☆春季九州大会
優勝:福岡大大濠(福岡2位)
準優勝:西日本短大付(福岡1位)
ベスト4:長崎日大(長崎2位)
ベスト4:糸満(沖縄1位)
文=落合初春(おちあい・もとはる)