6月4日から始まるセ・パ交流戦。どのチームが令和初のチャンピオンに輝くのか興味は尽きない。今回は今年の交流戦の見どころや展望をまとめよう。
開幕直後の不調などどこ吹く風。怒涛の11連勝で定位置の「首位」へ返り咲いた広島。交流戦もこの調子で走れるのかは、日程がカギを握っている。というのも最初のカードで西武と、次のカードでソフトバンクと対戦するからだ。
僅差でパ・リーグの首位争いを演じている西武とソフトバンク。とくに尻上がりに調子を上げている西武は、昨年の日本シリーズで広島と対戦した可能性もあっただけに“幻の日本シリーズ2018”として好ゲームを期待したくなる。
一方、ソフトバンクは故障渦で本調子ではないとはいえ、広島にとっては昨年の日本シリーズのリベンジを果たす格好の機会。今年も日本シリーズで再戦する可能性もあるだけに、ここで叩いておきたいところだ。
広島の上昇気流に霞んでいるが、阪神も一時の不調を乗り越えて貯金生活を送っている。交流戦は例年「パ・リーグ>セ・リーグ」の図式になるだけに、今年もセ・リーグの面々がもたつくようなら、それらを尻目にさらなる貯金を稼いでおきたい。
阪神のここ5年の交流戦の順位をまとめると、2014年は11位、2015年は6位、2016年は10位、2017年は4位、2018年は11位。決して得意とはいえないが、じっくり見ると2015年、2017年と奇数年は好成績を収めていることがわかる。オカルト的ではあるが、この法則に従うと今年は上位に食い込む可能性がある年だ。
虎がダークホースになるのか。はたまた自ら法則を破って下位に沈むのか。阪神の動向にも大いに注目したい。
2017年に打率.396を記録した松本剛(日本ハム)然り、2018年に2勝0敗、防御率0.92の快投を見せた有吉優樹(ロッテ)然り、覚醒したかのように好成績を残す選手が現れるのも交流戦の醍醐味。
予想ができないからおもしろいのではあるが、今年なら村上宗隆と太田賢吾のヤクルトコンビ、今井達也(西武)ら若手に期待したくなる。
ただ2016年の城所龍磨(元ソフトバンク)のように、ベテランが目を覚ますこともあるので、それもまた妙味だ。短期決戦だけに波に乗った選手は、贔屓のチームでなくともチェックしてみたい。
18試合と短いだけに、あっという間に終わってしまう印象の交流戦。しかし、見方によってはかなり中身が濃厚だ。
日本シリーズ以外ではなかなか見られない、他リーグチームとのガチンコ勝負を堪能できる機会だけに大いに楽しもうではないか。
文=森田真悟(もりた・しんご)