かつてないほど連勝連敗のニュースが多かった今季のプロ野球。上位記録をランキングにして振り返ってみよう。
■連勝記録ランキング
1位:13連勝/西武(7/21〜8/4)
2位:10連勝/広島(4/1〜4/13)
3位:9連勝/ソフトバンク(8/31〜9/10)
3位:9連勝/広島(9/1〜9/10)
5位:8連勝/ソフトバンク(8/15〜8/24)
今季、最長の連勝は西武が記録した13連勝。チームカラーの「ライオンズブルー」から、真っ赤な「炎獅子ユニフォーム」に変えた途端、連勝モードに突入したことも話題となった。この13連勝の間、3点差以上をつけたのが実に11試合。投打が噛み合い、盤石の試合運びを見せ続けた。
4月に行われた炎獅子ユニフォームのお披露目イベントでは、牧田和久が「非常にかっこいいので、このユニフォームを着て全勝したいです」とコメントしていたが、まさに有言実行の戦いぶり。
連勝前の時点で、首位争いを繰り広げていたソフトバンクと楽天には10ゲーム前後の差をつけられた3位だった西武は、この大連勝を足掛かりに、楽天の失速にも助けられながら、8月末には2位に浮上した。
今季の連勝記録の2位から5位は、ぶっちぎりのリーグ優勝を飾った広島とソフトバンクが独占。
ソフトバンクは、このほかにも6連勝(7/1〜7/8)、5連勝(4/30〜5/5)して1敗の後にまた5連勝(5/7〜5/13)している。ポストシーズンでも、CSファイナルステージで楽天に3連勝、その勢いのまま日本シリーズではDeNAに3連勝で王手をかけるなど、シーズンさながらの連勝劇を見せた。
広島も、上記の連勝以外にも7連勝(5/23〜5/31)、6連勝(6/3〜6/9)が1回ずつある。2位に10ゲーム差をつけたのも納得の勝ちっぷりだった。
続いて今季の連敗記録を見ていこう。
■連敗記録ランキング
1位:14連敗/ヤクルト(7/1〜7/21)
2位:13連敗/巨人(5/25〜6/8)
3位:10連敗/ヤクルト(5/30〜6/10)
3位:10連敗/日本ハム(4/14〜4/27)
3位:10連敗/楽天(8/23〜9/3)
主力に故障者が相次ぎ、それが今季12球団最大の14連敗として現れてしまったヤクルト。上記ランキングの2大連敗以外にも、9連敗(8/27〜9/6)、7連敗(9/18〜928)、6連敗(4/5〜4/12)があり、雪だるま式に黒星が膨張。これでは球団ワーストの96敗を喫しての最下位もやむなし……。また、勝率.319は球団史上3番目の低勝率。不名誉な成績のオンパレードとなってしまった。
今オフからは、小川淳司SDが監督として現場復帰する。2010年には、シーズン途中から監督代行として指揮を執り、「メークミルミル」でチームを蘇らせた経験がある小川監督。立て直しは、その手腕に期待するしかない。
巨人の13連敗も球団史上ワースト記録として各メディアでも大きく報じられた。ファンも忘れているかもしれないが、今季の巨人は、開幕から5連勝と絶好のスタートを切っていた。にもかかわらず11年ぶりのBクラスとなったのは、この大連敗がすべてと言っても過言ではないだろう。
13連敗の間、菅野智之、マイコラス、田口麗斗の先発3本柱が崩れた試合もあれば、リリーフのカミネロや森福允彦が痛打を浴びたこともあった。また10点差以上の大差負け、シャットアウトの完敗、4試合もあった1点差の惜敗など、負けパターンも多彩。ベンチも対処が難しかったのかもしれない。
日本ハムは、今季3位タイとなる10連敗以外にも、6連敗が3回、5連敗が3回、4連敗が2回と、中連敗が頻発した。これではなかなか波に乗れない。ただ、シーズンのラストは4連勝といい形でフィニッシュ。首位打者を狙える近藤健介も復帰し、来季は清宮幸太郎という注目選手も加わる。今季5位からの浮上なるか。
文=藤山剣(ふじやま・けん)