公式戦の全日程が終了して以降、選手の去就報道が多くなってきたプロ野球界。そのなかには、外国人選手に関するものも散見される。
ただ、メディアの扱いは千差万別。エルドレッド(広島)やマテオ(阪神)のように、インパクトを残していれば注目度も高くなるが、そうでない選手はひっそりと去っていくケースがほとんど。今回は敢えて「そんな外国人いたっけ?」という地味めの助っ人たちを、今季の成績ともにピックアップしてみた。
■広島
カンポス(投手)
1試:0勝0敗0S/防0.00
タバーレス(投手)
育成:1軍出場なし
カンポスは、昨季、メジャーで13試合に登板し防御率2.63とまずまずの成績を残したセットアッパー。5月に1軍初昇格を果たし、22日の巨人戦に中継ぎとして1回を無失点に抑えたが、出番はその一度きり。広島の助っ人投手陣は、ジョンソン、ジャクソン、フランスアと強力。その枠に割って入ることが叶わなかった。
タバーレスは、ドミニカ共和国のカープアカデミー出身。3月に同じく育成選手として入団したフランスアは出世したが、タバーレスは2軍で17試合に登板し防御率7.32と結果を残すことができず、今季限りとなってしまった。
■ヤクルト
アルメンゴ(投手)
1軍出場なし
ウルキデス(投手)
5試合:0勝0敗0S/防5.06
2016年から2017年にかけて、ジョーダンという登録名で中日に在籍していたアルメンゴは、今季からヤクルトへ。2017年は18試合に登板し6勝4敗、防御率2.30とまずまずの成績を残し、期待が高かった。
しかし、開幕前から下半身のコンデション不良を訴え、医師の診断を受けるために4月に渡米。現地で治療なりリハビリなりをしっかり行っているのかと思いきや、SNSにアップされるのは家族と楽しくくつろいでいる様子ばかり。さすがに球団も耐えかねて6月20日に契約解除を決断した。入団時には「チームの優勝に貢献できるよう、100%全力でプレーしたいと思います」とコメントしていたのだが……。
ウルキデスはシーズン途中の6月から加入。1軍では5試合に登板し、打ち込まれたのは7月29日の阪神戦だけ(1/3イニングで5失点)で、その他の4試合はいずれも無失点。2軍戦でも17試合に登板し防御率1.08と好投していた。にもかかわらず、来季の契約は交わされず。36歳という年齢がネックだったのかもしれない……。
■中日
ジー(投手)
4試合:0勝3敗0S/防4.00
メジャー通算51勝の実績からローテーションの中軸として期待されていたジーだったが、開幕から3連敗を喫してしまう。5月には血行障害の手術のためアメリカに帰国。そのままフェードアウトしてしまった。
■楽天
コラレス(投手)
1軍出場なし
日本の社会人野球(三菱日立パワーシステムズ横浜)から独立リーグ(BCリーグ・富山GRNサンダーバーズ)を経て2017年から楽天に。昨季は1試合に登板、今季は1軍での登板がなく、自由契約に。合同トライアウトでは、150キロ台のストレートが冴え三者連続で三振を奪うなど、球威は健在。本人も希望しているように、あらためて独立リーグからの誘いがあるかもしれない。
■ロッテ
オルモス(投手)
2試合:0勝2敗0S/防7.71
5月6日に1軍登録され2試合に先発するも、5回4失点、2回5失点と試合を作れず2連敗。5月14日には2軍降格となってしまい、そのまま1軍のマウンドに戻ってくることはなかった。「幕張のジョニー・デップ」とも言われたイケメン投手だったが……。
ペゲーロ(外野手)
1軍出場なし
BCリーグ・富山GRNサンダーバーズに在籍していた2017年は、リーグ新記録となる115安打を放ち、打率.387でベストナインにも選出されたペゲーロ。ロッテのキャンプへテスト生として参加し、支配下登録を勝ち取った。ファームの試合でもそれなりの成績を残していたが、6月に自ら退団を申し出て自由契約に。1軍の戦力になれていないことを気にしての決断だったという。チーム関係者も評価するほど野球には真面目に取り組んでいたが、その実直さが裏目に出てしまったか……。
文=藤山剣(ふじやま・けん)