オリックスの先発は松葉貴大。松葉は2012年のドラフト1位で大阪体育大から入団。この年のオリックスは藤浪晋太郎、松永昂大とクジではずした末の松葉指名だった。
松葉は3回表に連打から1点を失い、6回表には内川聖一のソロ本塁打でさらに1点を失う。6回を投げて2失点の内容で、なんとか先発の役割を果たした。
オリックスは、ソフトバンクの先発・和田毅の前に5回までノーヒット。6回裏にチーム初ヒットを放つと、吉田正尚が2ラン本塁打。2対2の同点と追いつく。絶賛売り出し中のルーキー吉田正は2015年の1位指名。青山学院大から入団した。
7回表からは吉田一将がリリーフ登板。吉田一は松葉が指名された翌年、2013年にドラフト1位指名でJR東日本から入団。この試合は、松葉−吉田一のドラフト1位リレーとなった。吉田一は1イニングを3人できっちりと抑える。
8回裏は、何度も好守備で投手を助けている安達了一がヒットで出塁。安達は2011年のドラフト1位で東芝から入団。高橋周平のハズレ1位だった。吉田正が四球で出塁後、T-岡田が勝ち越しタイムリー安打を放った。
T-岡田は2005年の高校生ドラフト1位で履正社高より入団。この年のドラフトは、大阪桐蔭高の辻内崇伸にオリックスと巨人が競合。クジを引いたオリックス中村勝広GM(当時)が、当たりクジを見間違えるというトラブルが発生。結局、辻内は巨人が交渉権を獲得し、オリックスはT-岡田を指名することになった。
9回表、4対2のリードで登板するのがクローザー・平野佳寿。平野は2005年の希望枠で京都産業大から入団。守備固めでセンターについたのが駿太。駿太は2010年のドラフト1位で前橋商高から入団。オリックスは大石達也、伊志嶺翔大、山田哲人のクジをはずした後、駿太を指名することになった。
試合は平野が、3人で打ちとりゲームセット。4対2でオリックスの勝利。T-岡田と吉田正がお立ち台に上がった。
こうして見みると、オリックスは2010年から2015年までにドラフト1位で指名した選手が、ほぼ1軍で活躍している(2014年の山崎福也は現在抹消中)。
やはりドラフト1位の選手が活躍すると、ファンとしてはうれしいものだ。今年のドラフトはどうなるのか? 競合してクジを引くのか、それとも一本釣りに行くのか、投手か野手か。非常に楽しみだ。
文=矢上豊(やがみ・ゆたか)
大阪在住の山本昌世代。初めてのプロ野球観戦は、今はなき大阪球場での南海対阪急戦と、生粋の関西パ・リーグ党。以来、阪急、オリックス一筋の熱狂的ファン。プロ野球のみならず、関西の大学、社会人などのアマチュア野球も年間を通じて観戦中。