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生き残りをかけた終盤戦。8月に調子を上げてきたモレル(オリックス)に来季はあるのか?


 シーズンも終盤にさしかかったこの時期、帳尻を合わせるかのように活躍しだすのが、外国人選手ではないだろうか。

 残念ながらオリックスの外国人野手は、期待したほどの活躍ができなかったが、ここに来て少し調子を上げてきたのがブレント・モレルだ。

期待はずれのモレル


 オープン戦では好成績を残し、「これはいけるのではないか」と思われたモレル。しかし、開幕から4番で起用されながら、ファンをガッカリさせる結果となってしまった。

 3月、4月の成績は、88打数20安打、打率.227、1本塁打、10打点。さらに、Koboスタ宮城で放った来日初本塁打と第2号が、降雨ノーゲームのため幻になってしまうという運のなさ。ちなみにこの日はモレルの誕生日でもあった。

 5月は打率.257、4本塁打、11打点と少しはましになったが、その後もなかなか調子が上がらす、6月に登録抹消となった。


マイペースなモレル


 「パ・リーグはとてもレベルが高い。攻略するのは難しい。まだ時間がかかると思う」とモレルは言う。

 これは4月や5月の発言ではない。7月のはじめに飛び出したものだ。いったいいつまで待てば攻略できるのだろう? そのすぐ後、モレルは今季2度目の登録抹消となった。

 どうもモレルは、いつもマイペースに見える。感情を前面に表さない。三振をしても、ゆっくりと歩いてベンチに戻る。悔しそうなそぶりも見せない。そういう性格なのだろうが、もう少しアピールしてもよさそうなものだ。

意外とお茶目なヒーローインタビュー


 そんなモレルも8月には調子を上げてきた。8月7日、京セラドームでのロッテ戦と9日のソフトバンク戦では、2試合連続でヒーローインタビューのお立ち台に登る。いずれも初回にタイムリーヒットを放ったからだ。

 そのインタビューで、モレル自身がプロデュースしたビールを買ってください、とファンにアピールした。球場内で販売している、“選手プロデュース・メニュー”のひとつだ。モレルにも意外にお茶目な面もあるのかもしれない。最近はチームメイトにも溶け込んでいるように見える。


生き残ることができるか


 外国人野手で現在1軍登録されている選手は、モレルとボグセビックのふたり。ブランコ、クラークはファームで調整中だ。このなかで来季もオリックスにいる可能性のあるのは、モレルぐらいではないだろうか。

 しかし、そのモレルでも今のままの成績では厳しいだろう。もうひとがんばりして、よい成績を残すことを期待したい。


文=矢上豊(やがみ・ゆたか)
大阪在住の山本昌世代。初めてのプロ野球観戦は、今はなき大阪球場での南海対阪急戦と、生粋の関西パ・リーグ党。以来、阪急、オリックス一筋の熱狂的ファン。プロ野球のみならず、関西の大学、社会人などのアマチュア野球も年間を通じて観戦中。

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