巨人の助っ人投手、マイルズ・マイコラスが上がり目だ。6月27日のヤクルト戦で2安打完封勝利。今季4勝目を挙げ、混セから一歩抜け出したい巨人に希望の光をもたらした。
そんなマイコラスだが、プレー以外でも注目を集めている。その理由は、妻のローレンさんがあまりに美人すぎること。スタンドで甲斐甲斐しく夫を応援し、勝利したときにはマイコラスと熱烈なキスを見せる「ブロンドの女神」に芸能界も熱視線。
最終的には外国人タレントに強い稲川素子事務所と契約し、日本でタレント活動を開始する運びとなった。
本人の活躍もさることながら、これでマイコラスの注目度も上がり、日本球界定着に一歩前進。美人妻の熱烈サポートで一気に駆け上がってほしいところだ。
「プロ野球選手の妻は年上がいい。早く“姉さん女房”を見つけて、野球に精を出してほしい」
時勢からあまり聞かれなくなったが、一昔前の独身若手選手は昭和を生き抜いてきたOBからこんな言葉を掛けられるのが常だった。
遠征も多ければ、夜遊びも多いプロ野球選手。多少、尻に敷かれることで生活を引き締めれば、野球に身に入るようになるという「先人の知恵」である。
そんな支持の厚い“姉さん女房”だが、斜め上を行きすぎて一時期注目を集めたのが、ヤクルトなどで活躍したロベルト・ペタジーニの嫁、オルガ夫人だ。
ベネズエラ人のペタジーニ夫妻はマスコミのカメラや周囲の目も気にせず、熱いキスを連発。キャンプではオルガ夫人との同宿を契約の条件とし、ダブルベッドを用意させるなどアツアツ。オルガ夫人とのキス、そしてマッサージ、添い寝がパワーの源であると公言していたのだが……。
オルガ夫人はなんと25歳年上!
“姉さん女房”ならぬ“母さん女房”。しかも、その出会いも鮮烈で、大学時代の先輩の家に遊びにいったところ、そこにいたのがオルガ夫人だったというのだ。
なんとオルガ夫人は大学時代の先輩の母。本人いわく「一目ぼれした」ペタジーニは、立場も年の差も関係なく猛アプローチ。当時シングルマザーだったオルガ夫人を見事にゲットしたというわけだ。
マスコミもファンも2人のラブラブっぷりには正直辟易としたが、最もショックを受けたであろう、当の大学時代の先輩はテレビの取材に対し「2人がよければそれで……いいんじゃないか。今はもう慣れたよ」と微妙な回答。
ちなみに年下のペタジーニを「お父さん」と呼ぶことは決してないらしい。
現球界でも“姉さん女房”の選手は多いが、最も「年の差婚」なのがロッテの守備の名手・岡田幸文だ。2006年の社会人時代に結婚した岡田の妻・由美子さんは11歳年上。ペタジーニには「まだまだ」と鼻で笑われそうだが、こちらも愛に年の差なんて関係ない。
恋が芽生えたのは、こちらも一目ぼれ。当時19歳だった岡田は栃木・足利市の職員で市営球場の管理を担当していた由紀子さんに胸を打たれたのだった。
そして、2人は結婚。2人の娘も生まれ、岡田は昼間は足利ガスで働きながら、夜は全足利クラブで野球をプレーする生活を送っていた。
そこに舞い込んだのがロッテからのドラフト指名の打診だった。
普通であれば、家族そろって大喜び……のはずだが、このとき、岡田の指名は育成契約。
当然、家庭を守るために由美子さんは激怒。ロッテ・山森雅文スカウトはそんな岡田家にロッテのお菓子を持っていき、子どもたちの懐柔に成功。しかし、怒りの震源である由美子さんは
「私はお菓子じゃだまされないぞ!」
「お前か、この人を持っていくのは」
と内心、思っていたという。
結局、「2年で結果が出なかったら辞める」と約束し、単身赴任でのプロ入りを許された岡田。その後も弱音を吐く岡田に対して由美子さんは、
「ボールじゃなくてプロパンガス転がしに帰ってくる?」
「3年結果を残すまで天狗になるな」
と辛辣なゲキを連発。夫を見事に奮い立たせる良妻ぶりを発揮している。
完膚なきまでに尻に敷かれている岡田だが、やはり妻にはメロメロ。同じく“姉さん女房”のチームメート・福浦和也と「やっぱり結婚するなら年上だ!」と熱く若手独身選手に語っているらしい。
2010年に自身の決勝打で日本シリーズを制し、足利市役所に凱旋訪問した際には「今の自分があるのは妻のおかげです」と妻の顔を立てることも忘れなかった。
冒頭のマイコラスの話に戻るが、日本にやってくる外国人選手の妻は美人がとても多い。
現在はサンフランシスコ・ジャイアンツでプレーするライアン・ボーグルソンの妻であるニコール夫人も元モデルかつ元歌手だ。阪神に在籍していた当時はその美貌が注目され、トーマス・オマリーとともにバックスクリーンで流される「阪神電車がイチバンや!」のCMに出演していた。
なぜ外国人選手たちは美人の妻をゲットすることができたのか?
そこに浮かび上がるのが、アメリカの文化的象徴ともいわれるスクールカーストの存在だ。
アメリカでは野球やアメフトなどのアスリートは学生時代からスターとなれる。ヒエラルキーの頂点であるジョック(Jock)に位置しやすい。
その筋肉ムキムキのアスリートに惚れるのが、チアリーダーに代表されるクイーン・ビー層を目指す女の子たちだ。自身に磨きをかけ、アピール力を高めた美人が狙う相手がプロ野球選手をはじめとするアスリートという話なのだ。
アメリカの学園ドラマなどでよく見られるスクールカーストだが、やはり文化的根底であり、一概に「人それぞれ」と切り捨てるわけにもいかないだろう。
メジャーの選手の妻たちはグループを作り、ファッションや慈善活動などを競う「セレブ傾向」にある。夫婦の愛は別の話だが、美人女子たちがそこに接近したいという思いもあるのかも知れない。
現に日本プロ野球でその構造が脳裏に浮かんだのが、田中将大(ヤンキース)と里田まいさんの結婚だ。
2012年に結婚した2人。「おバカタレント」の筆頭であった里田さんが相手なだけに、結婚当初は当時監督を務めていた野村克也氏もファンも「大丈夫か?」と心配の様子だった。しかし、里田さんは持ち前の食への探究心を生かして、次々とプロ顔負けの手料理をブログなどで披露。
夫・マーくんの成績もみるみるアップし、「おバカ」はキャラだったのだろうと囁かれるほど、超良妻へと変貌を遂げた。里田さんも数多ある料理本の出版話を「料理は夫のためだから」と断っているという。
プロ野球選手のパフォーマンスは「妻が育んでいる」ともいっても過言ではなさそうだ。
(文=落合初春)