しかし、ことはそううまくいかない。山口は右肩の違和感が消えず、キャンプからリハビリ組中心の3軍での始動。開幕の1軍メンバーにもその名はなく、4月24日時点で2軍戦も含めて未だ登板なし。
陽も、2月のキャンプインこそ1軍で迎えたが、早々に下半身の張りで3軍行き。その後、一旦は1軍に合流するも、ほどなくしてまた3軍へ。シーズンが始まってからも、4月24日までに2軍で2試合出場したのみだ。
そして、3人のなかで唯一、開幕から1軍にいた森福は、初登板となった4月2日のDeNA戦こそ1イニングを3人で無難に切り抜けたものの、4月9日に行われた阪神戦での2度目の登板は、8回に同点の場面で上本博紀にソロホームランを浴びた。
続く4月11日の広島戦でも、7回にマウンドに上がり、小窪哲也にタイムリー、菊池涼介に2ランホームランを打たれ、同点からの3失点。2試合連続で敗戦投手となってしまった。
その後も4試合に登板したが、ノーヒットで終えられたのは1度だけ。4月24日に、あえなく2軍で再調整を命じられた。
幸いと言っていいのか、FA新加入の3選手が揃って2軍という事態でも、チームは4月24日までに19試合を消化し、11勝8敗で広島に次ぐ2位につけている。
陽、山口は5月の連休明けあたりに1軍に上がってくる可能性もありそうで、森福もボールのキレが戻れば、当然、必要とされる戦力だ。
FA獲得は失敗だったという烙印を押されることのないよう、3選手の今後の巻き返しに期待したい。
文=藤山剣(ふじやま・けん)