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中村剛也(西武)に松田宣浩(ソフトバンク)も。人生の転機を迎える1983年世代=35歳の選手の今

中村剛也(西武)に松田宣浩(ソフトバンク)も。人生の転機を迎える1983年世代=35歳の選手の今

 人生の転機でもある35歳。一般社会であれば中堅社員になり、これからさらに上を目指す。あるいは10年前後の経験を武器に独立するなど、さまざまな選択肢がある年齢でもある。しかし、プロ野球の世界においてはそうではない。多くの同世代はすでに現役を引退。一部のトッププレーヤーを除き、戦力外との恐怖と戦いながら1年1年を過ごしている。

 さて、2018年シーズンに35歳を迎える1983年生まれの選手たちにはどのような選手がいるのだろうか。プロ野球の世界では「世代」で括ることが多いため、ここでは「1983年世代」(1983年4月2日〜1984年4月1日生)として取り上げたい。

中村剛也、松田宣浩らが1983年世代の野手を牽引


 この世代の野手におけるトッププレーヤーは「おかわり君」こと中村剛也(西武)、「マッチ」こと松田宣浩(ソフトバンク)の2人だろう。

 中村はここまで通算357本塁打を放ち、歴代3位となる6度の本塁打王を獲得するなど現役屈指のホームランアーチストだ。しかし、故障の影響もあり昨シーズンは打率.217、27本塁打、79打点と中村にしては今ひとつに終わった。初めて本塁打王に輝いた2008年以降、初めて2年連続で本塁打王、もしくは打点王のタイトルを獲得できなかった。今シーズンは、3年ぶりのタイトルを獲得し、復活を果たしたい。

 一方、昨春の2017WBCで侍ジャパンの三塁を守った松田。打撃タイトルの獲得こそないが、3年連続で20本塁打以上を放つなど、30歳を超えてもなお、長打力に陰りはない。また、5年連続でゴールデン・グラブ賞を受賞している守備面でも貢献。さらにはチームの盛り上げ役としてムードメーカーの役割も担っている。今シーズンも1歳上の内川聖一らとともにチームを引っ張り、2連覇を目指す。

 ほかには今江年晶(楽天)、栗山巧(西武)、川島慶三(ソフトバンク)らも同世代だ。

投手では金子千尋に平野佳寿、近藤一樹の「元」を含めたオリックス勢が多数


 投手陣を見渡すとオリックスの選手が目立つ。エースの金子千尋、海外FAによってダイヤモンドバックスへの移籍が決まった平野佳寿。また、元オリックスの近藤一樹(ヤクルト)らが1983年世代だ。

 また、他にも山口鉄也(巨人)、岩田稔、高橋聡文(ともに阪神)ら左腕も名を連ねる。昨シーズン、山口と岩田は思うような成績を残すことができず、今シーズンは背水の陣で臨むことになる。

 多くの投手は年齢を重ねることで球速が落ち、速球派として好成績を残していた選手も、現役晩年にはモデルチェンジを強いられることが多い。35歳という年齢だけに、球速を維持できても急激に上昇することはないだろう。彼らには10年以上プロで戦ってきた老獪な投球術を期待したいところだ。

 一方でこのオフにNPBから去った選手もいる。飯原誉士(現栃木ゴールデンブレーブス)、新井良太(元阪神ほか)、八木智哉(元中日ほか)だ。

 飯原はNPBでの現役続行を目指したものの、オファーはなく、BCリーグの栃木ゴールデンブレーブスに入団。故郷で選手兼任コーチとしてNPB復帰を目指しす。新井は2軍育成コーチ、八木はスカウトとしてチームに残ることに。35歳となる今年から文字通り第2の人生を歩むこととなった。

 このように35歳までプロ野球選手を続けることは容易ではない。中村、松田をはじめとした今シーズンも現役としてプレーする選手たちには、できる限りトッププレーヤーとして活躍してほしいものだ。


文=勝田聡(かつた・さとし)

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