この世代の野手におけるトッププレーヤーは「おかわり君」こと中村剛也(西武)、「マッチ」こと松田宣浩(ソフトバンク)の2人だろう。
中村はここまで通算357本塁打を放ち、歴代3位となる6度の本塁打王を獲得するなど現役屈指のホームランアーチストだ。しかし、故障の影響もあり昨シーズンは打率.217、27本塁打、79打点と中村にしては今ひとつに終わった。初めて本塁打王に輝いた2008年以降、初めて2年連続で本塁打王、もしくは打点王のタイトルを獲得できなかった。今シーズンは、3年ぶりのタイトルを獲得し、復活を果たしたい。
一方、昨春の2017WBCで侍ジャパンの三塁を守った松田。打撃タイトルの獲得こそないが、3年連続で20本塁打以上を放つなど、30歳を超えてもなお、長打力に陰りはない。また、5年連続でゴールデン・グラブ賞を受賞している守備面でも貢献。さらにはチームの盛り上げ役としてムードメーカーの役割も担っている。今シーズンも1歳上の内川聖一らとともにチームを引っ張り、2連覇を目指す。
ほかには今江年晶(楽天)、栗山巧(西武)、川島慶三(ソフトバンク)らも同世代だ。
投手陣を見渡すとオリックスの選手が目立つ。エースの金子千尋、海外FAによってダイヤモンドバックスへの移籍が決まった平野佳寿。また、元オリックスの近藤一樹(ヤクルト)らが1983年世代だ。
また、他にも山口鉄也(巨人)、岩田稔、高橋聡文(ともに阪神)ら左腕も名を連ねる。昨シーズン、山口と岩田は思うような成績を残すことができず、今シーズンは背水の陣で臨むことになる。
多くの投手は年齢を重ねることで球速が落ち、速球派として好成績を残していた選手も、現役晩年にはモデルチェンジを強いられることが多い。35歳という年齢だけに、球速を維持できても急激に上昇することはないだろう。彼らには10年以上プロで戦ってきた老獪な投球術を期待したいところだ。
一方でこのオフにNPBから去った選手もいる。飯原誉士(現栃木ゴールデンブレーブス)、新井良太(元阪神ほか)、八木智哉(元中日ほか)だ。
飯原はNPBでの現役続行を目指したものの、オファーはなく、BCリーグの栃木ゴールデンブレーブスに入団。故郷で選手兼任コーチとしてNPB復帰を目指しす。新井は2軍育成コーチ、八木はスカウトとしてチームに残ることに。35歳となる今年から文字通り第2の人生を歩むこととなった。
このように35歳までプロ野球選手を続けることは容易ではない。中村、松田をはじめとした今シーズンも現役としてプレーする選手たちには、できる限りトッププレーヤーとして活躍してほしいものだ。
文=勝田聡(かつた・さとし)