まずは創志学園の「二刀流」として注目の難波侑平。2年時から主軸を任され、2年春、夏、3年春と甲子園に3度出場している。
2年時は高田萌生(巨人)が絶対的エースとしてチームを引っ張っていたために背番号「7」で出場。打率.200(10打数2安打)と結果を残すことはできなかった。投手としては夏の甲子園で1試合に登板し、2回1/3、1失点の結果が残っている。
新チームでは背番号「1」を背負い、エースとして秋季岡山県大会、中国大会に登板。11試合に登板し、85.2回を投げ防御率1.26。打っては打率.341(44打数15安打)、1本塁打、9打点。「エースで4番」にふさわしい成績を残した。
しかし、今年のセンバツでは先発を2番手の秋山竜彦に譲り中継ぎ登板。5回2失点で福大大濠に敗れた。
身長178センチ、体重75キロと決して大きくはないが、投手としては140キロ台半ばのストレートを武器としている本格派だ。高田先輩のようにプロ入りとなるか注目が集まる。
甲子園出場経験はないものの、激戦区の兵庫で話題となった公立校の投手がいる。市西宮の山本拓実だ。
山本は167センチ70キロと小柄だが最速は148キロを誇り、プロからも注目を浴びている。3年春の兵庫県大会準々決勝では、センバツに出場した報徳学園を相手に敗れはしたものの2失点完投。この好投で多くの高校野球ファンに名前が知れ渡ることとなった。
その後、練習試合ではあるが大阪桐蔭相手にも好投。敵将・西谷浩一監督をも唸らせている。夏の兵庫大会では再び報徳学園に1対2で惜敗し、甲子園には届かなかった。
兵庫大会敗退後からプロ志望を表明していたが、その言葉通り、9月7日にプロ志望届を提出。ドラフト制度ができて以来、市西宮からプロ入りを果たした選手は1975年ドラフト5位で近鉄に入団した山中浩次ただひとり。2人目のプロ野球選手誕生となるか注目したい。
もう一人、山本と同じく兵庫に甲子園未出場のドラフト候補がいる。神戸弘陵の東晃平だ。
東は2年時からエースとして君臨。3年春には練習試合ではあるものの、報徳学園に1対0で完封勝利を収めている。しかしその後、骨折により戦線離脱。実戦登板がほぼないまま今夏の兵庫大会へと突入した。
兵庫大会では、昨夏の代表校・市尼崎戦で2失点完投勝利を収めるなど実力を発揮。4回戦で敗れたものの故障の影響を感じさせない投球を見せた。
東もすでにプロ志望届を提出。最速145キロのストレートを武器としており、スカウトの評価も高い。「岸孝之(楽天)、金子千尋(オリックス)のようなピッチャーになる可能性もある」と評するスカウトもいるほどだ。
まだまだ知名度は低いが、念願のプロ入りが叶った際には下位指名から花開いた三浦大輔(元DeNA)のような活躍を期待したい。