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北陸の雄・星稜、ドラフト特注のエース・奥川恭伸を中心にゴジラも果たせなかった悲願の初優勝なるか

文=森田真悟

北陸の雄・星稜、ドラフト特注のエース・奥川恭伸を中心にゴジラも果たせなかった悲願の初優勝なるか
 3月23日に開幕する第91回選抜高等学校野球大会、通称“センバツ”。昨年、史上3校目となる春連覇を果たし、春夏連覇も遂げたディフェンディングチャンピオン・大阪桐蔭(大阪)が出場を逃すなど、今年の高校野球界は早くも戦国時代の様相を呈している。

 今回は激戦が予想されるセンバツの注目チームや注目選手を紹介。ポスト大阪桐蔭とも言える新時代を創る球児は誰だ!?

悲願の初優勝を狙えるチーム力は整った


 まず注目チームの一番手には星稜(石川)を挙げたい。松井秀喜(元ヤンキースほか)を輩出した全国屈指の強豪であるものの、まだ甲子園での日本一には手が届いていない。そして北陸初の優勝旗は敦賀気比に先を越された。

 星稜にとって全国制覇はまさに「悲願」だが、今年のセンバツは長年の思いを成就できそうな雰囲気が漂っている。何故なら「ポスト大阪桐蔭」を担うメンバーが揃っているからだ。

 その筆頭はエースの奥川恭伸。昨夏の甲子園で150キロを叩き出し、2年生で唯一侍ジャパンU-18日本代表に選出されるなど、華々しい実績を誇る世代ナンバーワン投手である。

 ほかにも1年時から名門の4番を張る内山壮真、打ってよし投げてよしの荻原吟哉などタレント揃い。昨秋の明治神宮大会は準優勝に終わったが、聖地で「準」を外す可能性は十分だ。

虎視眈々と二冠目を狙う


 星稜に続くのは、昨秋の明治神宮大会決勝で星稜を制して優勝した札幌大谷(北海道)。元々女子校で2009年から共学になったという経緯の高校で、野球部も創部10年目というチームだ。

 しかし前述の決勝では2対1というスコアで、全国トップの精鋭軍団に逆転勝利を収めた。

 その快進撃の原動力となったのが充実の投手陣だ。中学時代に全国大会ベスト8を経験しているエースの西原健太、明治神宮大会の筑陽学園(福岡)戦で8回を無安打に抑えた太田流星など好素材が揃っている。

 甲子園を含めて初の全国大会での快進撃に周囲からは懐疑的な目も向けられるが、この実力は本物と見る。センバツは真価を証明する舞台になるだろう。

この選手から目を離すな!


 ほかに“個”として気になる選手を挙げると、投手では及川雅貴(横浜)。最速153キロを誇る本格派左腕であり、切れ味鋭いスライダーは高校レベルをはるかに超えている。

 打者では高校通算39本塁打の石川昂弥(東邦)。185センチ81キロの体躯から繰り出される打球は、スピード、飛距離ともに目を見張る。新世代のスラッガーとしての資質は十分だ。

ライターの予想を覆す結果にも期待


 根尾昂(中日)、藤原恭大(ロッテ)を擁して甲子園で王者の戦いぶりを見せ、昨年の高校野球の話題を独占した大阪桐蔭。その王者が不在でも、今春もこれだけの好チーム、好選手が集まるのが高校野球の恐るべきところ。

 彼らが聖地でどんな戦いを見せてくれるのか。それを思うと胸が躍るが、ダークホースの台頭も楽しみだ。そういう意味では、筆者の予想を超える結果、逸材の登場にも期待したい。

文=森田真悟(もりた・しんご)

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