毎年のように、各球団に加入する外国人選手。日本人だけでは補いきれない部分を期待されてチームに請われるわけだが、今年はどんな選手がやってくるのだろうか。シーズンが始まる前に、改めて特徴などをおさらいするとともに、その注目度をランキング形式で紹介しよう。
(東北楽天ゴールデンイーグルス・内野手)
体重135kg。スペイン語で「ギガンテ=巨人」という愛称を持つ助っ人が、楽天にやってくる。梨田昌孝新監督の「一発で流れを変えられる選手」というオーダーにスカウトが応え、昨季メキシカンリーグで41本塁打を放った大砲を口説き落とした。
(千葉ロッテマリーンズ・内野手)
退団したルイス・クルーズの穴を埋めるべく、ロッテが獲得したのがヤマイコ・ナバーロ。ドミニカ出身で、メジャーを数球団渡り歩いた後に韓国のサムスンライオンズへ移籍したという経歴の持ち主だ。
そのサムスンで能力が覚醒し、1年目に韓国シリーズMVPを獲得。2年目となった昨季は、韓国プロ野球の外国人選手シーズン新記録となる48本のホームランを打つなど活躍した。また2年連続で20盗塁を達成しており脚力もある。日本では外国人選手初のトリプルスリーを目指してほしい。
(福岡ソフトバンクホークス・投手)
昨季、メキシカンリーグで43試合5勝0敗、防御率1.71という好成績を挙げたロベルト・スアレス。メジャーの球団も食指を伸ばす中、なんとソフトバンクが獲得した。
プロの経験は昨季1年だけなので未知数な部分が大きいが、それだけに伸びしろも大きいと言える。ソフトバンクは育成の環境が整っているし、スアレス自身も24歳とまだ若いので、長い目で見るとすごい選手になりそうな予感が漂う。
4位:クリス・マーティン
(北海道日本ハムファイターズ・投手)
クリス・マーティンは、大谷翔平よりも大きい2メーター超の高身長を誇るピッチャー。昨季所属したニューヨーク・ヤンキースでは、中継ぎとして24試合に登板した。
150キロオーバーのツーシームを中心に、カットボールやシンカー、カーブを駆使して抑えるスタイル。ただシンカーも150キロを超えるといい、日本人が投げるそれとは全く別の球と言えるかもしれない。また先発の適性もあるようなので、どのような起用法になるのかも楽しみだ。
5位:アンディ・バンヘッケン
(埼玉西武ライオンズ・投手)
左腕不足の西武が獲得したのは、韓国のネクセンヒーローズで昨季15勝を挙げたサウスポー。昨年は193個、一昨年は178個と三振を獲る能力があることも決め手になった模様。
ちなみに阪神のジェフ・ウィリアムスと同じ左投げ右打ちだったり、昨年ソフトバンクで9連勝を挙げたリック・バンデンハークと同じKBO出身だったり、結果を残した選手と似たプロフィールを持っている点にも注目したい。
6位:ブライアン・ボグセビッチ
(オリックス・バファローズ・外野手)
投手としてメジャーリーグのドラフトにかかるも、3年後に外野手に転向。どこかで聞いたことがある話だが……そう、言うなればメジャー版の糸井嘉男である。
まず見てみたいのは、メジャーで2桁盗塁したこともある走力。そしてその脚力を生かしての守備。ますます糸井チックだが、左ピッチャーに弱いという面も持っているので、首脳陣の起用法・舵取りが活躍の鍵になりそうだ。
今季もなんとも個性豊かな助っ人が揃った。この中から活躍する選手が出るのか、それともネタ外人として語り継がれるのか、今はまだ神のみぞ知る領域である。
願わくば空港で「Youは何しに日本へ?」と尋ねられないような、ファンならずとも顔を覚えてもらえるような選手になってほしい。
文=森田真悟(もりた・しんご)