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7月10日は「納豆の日」〜球界納豆エピソード・納豆でひきあう長嶋、大久保物語〜

 7月10日は語呂合わせから「納豆の日」に制定されている。もともとは関西における納豆の消費拡大のため、1981年に関西地域限定の記念日としてスタート。その後、全国納豆共同組合連合会が1992年に改めて7月10日を全国的な「納豆の日」として決めた歴史がある。

 栄養満点の納豆を勝負食とするアスリートがいる一方で、とてもじゃないが食べられない……、という苦手な選手も多い。近年の球界納豆事情をおさらいしてみよう。

納豆の糸で結ばれた恩師と先輩


 納豆といえば茨城県の名産品。そんな茨城県を代表する野球人といえば、楽天の大久保博元監督だ。かねてより「納豆大好き」を公言している大久保監督が就任早々掲げたキャッチフレーズが、“粘って粘って”パをかき回す「納豆野球」だった。


 また、若手時代からお土産や差し入れとして地元産納豆を提供することもしばしば。納豆嫌いな選手も多いため、いつも喜ばれているわけではないようだが、この「デーブの納豆便」で納豆にハマったのが恩師・長嶋茂雄氏(元巨人)。茨城県の納豆専門店・丸真食品の「青仁一粒」という商品を長嶋氏に贈ったところ、いたく気に入られ、以降は長嶋監督が直接お店に注文するように。「デーブから贈られた味は朝食の定番」として長嶋氏本人が雑誌で紹介してしまうほど、味の虜になってしまった。

 同様に、DeNAの中畑清監督が就任早々のキャンプ中にインフルエンザでダウンした際、当時、楽天のコーチだった大久保氏から差し入れられた納豆で栄養補給したことがスポーツ紙で報じられた。巨人時代の仲間とは納豆の糸で結ばれていた、というわけだ。

茨城県出身だけど納豆が嫌いな男


 茨城県が生んだもう一人のスター選手であり、水戸商では大久保監督の直系の後輩にあたるのが井川慶(オリックス)だ。だが、茨城県出身だからといって皆が皆、納豆好きかといったら大間違い。むしろ井川にとって、納豆は嫌いな食べ物だった。

 ところが、入団会見では「茨城県出身だから」という短絡的な理由で納豆に囲まれるはめに。このときのイメージが先行してしまったのが、後にポスティグシステムでニューヨーク・ヤンキースに移籍する際、先輩ニューヨーカーである松井秀喜氏から、「ニューヨークにも水戸納豆は売っていますからご心配なく」という妙なエールをもらうことに。

 これに懲りたのか、松井氏からのエールの10日ほど後、茨城県の橋本昌知事を表敬訪問した際に「納豆は好き?」と知事から質問された井川は「嫌いです」と即答している。

まだまだいる、球界納豆人間たち


 球界ではほかにも納豆好きを公言する選手は多い。田中賢介(日本ハム)は納豆好きが高じて「賢介もナットクウ〜とろ旨納豆」という商品を2010年にプロデュース。元中日の矢沢健一氏は現役時代、奥様お手製の納豆サラダが食卓の定番だったという。

 外国人選手では納豆好きは珍しいが、カラバイヨ(オリックス)は日本に順応するため、来日当初は苦手だった納豆を克服。今では好物を公言するまでになっている。

 栄養豊富で体にいいとされる納豆。さらには「若返りの栄養素」と呼ばれ脳にも働きかけるレシチンも豊富と、頭にまで作用するとあれば納豆を食べない手はない。現役プロ選手だけでなく、私たちも今日のビールのお供に、または明日の朝食に納豆を選んでみてはいかがだろうか。

(文=オグマナオト)

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