2013年に来日し、巨人で2シーズン、DeNAで3シーズンを経験したロペス。この11月には34歳となったが、今季は打撃成績におけるいくつかのキャリアハイを更新するなど、まだまだ進化中だ。
そのひとつは年間安打。定評のあるミート力にさらなる磨きをかけ、セ・リーグ最多の171安打を記録。来日してから最高だった150安打(2015年)を大きく上回っただけでなく、イチロー(マーリンズからFA)とともにプレーしていたマリナーズ時代の170安打(2006年、151試合出場)をも超えた。
ちなみにロペスは、メジャーで1005安打を放っており、日本では今季終了時点で669安打。今季のペースで打ち続ければ、2019年には「日米それぞれ1000安打」で日米通算2000安打という節目も見えてくる。
そして、今季の105打点(リーグ最多)も、昨季の95打点を更新するキャリアハイだった。打順は、宮崎が5番にほぼ固定されたこともあって、3番か4番を打つことが多かったが、得点圏打率は来日以来初の3割超となる.322。勝負強さが光った。
なお、打率は2013年の.303以来2度目の3割到達となる.301。本塁打数も昨季の34本塁打には及ばなかったものの30本塁打と十分な数字。文句なしの成績を挙げ、初のベストナインにも選出された。
前述したように今年、34歳になったロペス。日本流に見て同学年の選手といえば、野手では松田宣浩(ソフトバンク)、中村剛也(西武)、栗山巧(西武)、投手では金子千尋(オリックス)、平野佳寿(オリックス)、マシソン(巨人)、山口鉄也(巨人)らがいる。
松田やマシソンのプレーを見れば、まだまだ現役を続けられそうにも思えるが、一方で、今季限りで現役を引退し、2軍育成コーチへ転身した新井良太(阪神)、スカウトに就任した八木智哉(中日)も同い年であり、微妙なお年頃とも言える。
とはいえ、昨年オフに結んだ「推定年俸2億3000万円プラス出来高の2年契約」のラストとなる来季は、2019年以降のためにも、さらに力が入るはず。そして、筒香と宮崎とのクリーンアップがシーズンを通して健在なら、今季以上のチーム成績も十分に見込める。来季もこの優良助っ人から目が離せない。
文=藤山剣(ふじやま・けん)