注目の清宮幸太郎(早稲田実)は7球団競合の末に日本ハムが交渉権を獲得。侍ジャパン大学代表のエースでもあった東克樹(立命館大)はDeNAが一本釣りに成功。東大の左腕・宮台康平は清宮と同じ日本ハムが7位で指名。各選手ともにプロ野球選手への第一歩を踏み出すことになった。一方で指名を期待されながら涙を飲んだ選手もいる。そんな、指名漏れ選手を追う。
今春の東都大学リーグで4勝、防御率1.64の好成績を残し、最優秀投手、ベストナイン、最高殊勲選手の三冠に輝いた飯田晴海(東洋大)が指名漏れとなった。常総学院高時代には、内田靖人(楽天)とバッテリーを組んで甲子園で活躍した。侍ジャパン大学日本代表にも選ばれた実力派だったが指名はなかった。
九州を代表する投手・草場亮太(九州産業大)もまさかの指名漏れ。150キロを超えるストレートにスライダーなどの変化球を武器に全国の舞台でも活躍していた。チームメイトの井出亮太郎は本指名とはいかなかったものの、楽天育成1位。しかし、草場の名前は最後まで呼ばれるなかった。次のステージに進み、来るべきドラフトに期待したい。
國學院大で主将を務め、山崎剛と二遊間を組んだ諸見里匠。山崎は楽天3位で指名されたものの、諸見里は指名漏れ。近年、國學院大は嶋基宏、聖澤諒(ともに楽天)、杉浦稔大(日本ハム)、山下幸輝、柴田竜拓(ともにDeNA)ら多くの選手を輩出してきたが、後に続くことはできなかった。
横浜商科大の佐藤デシャーン広之も名前は呼ばれなかった。横浜創学館高時代から高い身体能力で注目され、大学で開花したものの指名には至らず。社会人を経由して2年後を目指すことになりそうだ。
慶應義塾大4年時の2年前のドラフトでプロ志望届を提出しながらまさかの指名漏れとなった谷田成吾(JX-ENEOS)。社会人での2年を経て、指名解禁となったが、残念ながら今ドラフトでも指名はなかった。当時、横尾俊建(日本ハム)、山本泰寛(巨人)らチームメイトのプロ入りを横で見つめた谷田。今回も塩見泰隆(ヤクルト4位)、齋藤俊介(DeNA4位)、若林晃弘(巨人6位)と3人のチームメイトが指名されのるいを見届ける形となった。
早稲田大4年時の2年前にはプロ志望届を提出しなかった丸子達也(JR東日本)も指名漏れ。今ドラフトでは一塁手の長距離砲候補が敬遠される結果となった
宮本丈(奈良学園大→ヤクルト6位)、宮台康平(東京大→日本ハム7位)、楠本泰史(東北福祉大→DeNA8位)といった注目候補が中盤を過ぎても名前を呼ばれず、見ている側もハラハラした展開となった。しかし、下位で指名されたことで会場にも安堵のようなざわめきが起こった。彼らは最終的には指名を受けたため、大きな波乱となったのは草場のみだろうか。
もちろんその他にもたくさんの指名漏れ選手がいるが字数の都合もあり、今回は割愛。今回、指名されなかった選手たちには、指名漏れを糧に、来年以降のドラフト会議で指名されることを期待したい。
文=勝田聡(かつた・さとし)