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【2016夏の高校野球】《和歌山観戦ガイド》有望選手と大会展望&勢力ピラミッド

7月13日〜28日(紀三井寺公園野球場ほか)

センバツ好投の市和歌山・赤羽に注目!
豪打・智辯和歌山との激突はあるのか?

☆★☆ 投手編 ☆★☆

●2人の好投手を擁する市和歌山


 140キロを超えるストレートと、キレのあるスライダーが武器の赤羽陸(市和歌山)が和歌山の目玉投手。春のセンバツでは南陽工を相手に無失点の投球を続けたが、最終回に制球が乱れて一挙に6失点で敗北という悔しい思いをした。144球の力投だっただけに、なんとしても勝ちたかっただろう。制球力を磨けば、さらに安定したピッチングができるはず。夏の大会で無念を晴らしたいところだ。赤羽の後ろを担う2番手投手が栗栖拓巳。タメを作り、球の出どころを隠すようなやや変則のフォームが特徴で、ストレートとスライダーのキレで勝負する。カーブで緩急をつけることもでき、状態次第では赤羽の代わりに主軸として投げる可能性もある。

 赤羽の次に挙げたい投手は平田翔真(智辯和歌山)。一時は腰のケガの影響で投球に狂いが生じていたが、このたび復調。本格派のサウスポーで、威力のあるストレートを打者の懐に攻め込む。

 西口直希(和歌山商)は春季大会で高野山に敗れてしまったが、全体的にまとまっている好投手。鋭く曲がるスライダーと動くストレートを武器に試合を作る。大学などでもう一回り大きくなれば、ドラフト指名も夢ではない。

 中村光(箕島)も面白いサウスポー。真っすぐこそ速くないものの、スリークオーターから投じられるスライダーやカーブなどの変化球でのらりくらりと抑えていく。ピンチでも動じない精神力も魅力的だ。


▲赤羽陸(市和歌山)

☆★☆ 打者編 ☆★☆

●内野手に原石がキラリ


 今季から智辯和歌山の4番に座り活躍している高垣鋭次。パワーみなぎるスイングが魅力で、今春県大会3回戦では、延長10回に決勝点となる2ランホームランを放った。主将としての責任を背負いながら、チームを引っぱっていく。同じく智辯和歌山のセンターを守る野口春樹も見逃せない選手。昨夏の甲子園で津商を相手に初回、いきなりの三塁打を放った場面は記憶に新しい。野口の長打力と果敢に次の塁を攻める姿勢が現れた印象的な一打だった。

 投手欄で紹介した西口とバッテリーを組むのが山口昂也(和歌山商)。「鉄砲肩」と表現したくなるような肩の持ち主で、コントロールもいい。打つ方ではツボにはまれば長打を放つパワーがある。確実性が上がってくれば面白い。

 守備のうまさが光る遊撃手は田上諒介(田辺工)。安定したスローイングと守備範囲の広さは和歌山随一。まんべんなく打球を打ち分けることもでき、打撃面の技術も光る。同じく内野手では、富山海(箕島)も注目したい。2年生だった昨年は158センチという小柄な体格ながら、守備・走塁面でセンスを見せつけた。体が成長した今季はどのようなプレーを見せてくれるのか。

 他では上山怜央(桐蔭)も気になる存在。昨季も2年生ながら和歌山県大会記録となる7打席連続安打を放つなど、あふれる才能をいかんなく発揮していた。同校の梅本翔馬も166センチながら遊撃手として俊敏な動きを見せる。昨年は投手兼任の「二刀流」だったが、今夏の大会でもマウンドに立つことがあるのか注目。3拍子揃った右打ちの中堅手である山崎頼樹(紀央館)にも注目したい。


▲高垣鋭次(智辯和歌山)

☆★☆ 大会展望 ☆★☆

●智辯和歌山と市和歌山の一騎打ち


 春季大会で優勝を果たした智辯和歌山が今大会の有力な候補。野口、高垣、平田などの中心選手はもちろんだが、紹介しきれなかった3年生も強力なメンバーが揃っており、層の厚さが光る。この智辯和歌山と争うのがエース・赤羽を擁する市和歌山。ベンチには2番手・栗栖も控えており、投手陣だけで言えば県下一と言える。和歌山商は西口・山口のバッテリーに注目。春季大会で決勝戦まで進んだ紀央館も面白い存在。2強の消耗次第では一気浮上のチャンス有。

地区勢力ピラミッド

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