昨年、春夏2季連続で甲子園ベスト4に輝いた秀岳館には、その躍進に貢献した田浦文丸、川端健斗の左腕Wエースが残った。
2人とも昨年春から甲子園のマウンドに立ち、田浦は14回を投げ防御率2.57、川端は15回を投げ防御率1.80と実績は十分。悲願の日本一に向けてチームを引っ張る。
背番号1を背負う田浦は最速144キロのストレートに加えスライダー、カーブ、チェンジアップを操る。身長は170センチだが、内角を突く強気のピッチングで奪三振率が高い。昨秋の九州大会2回戦の長崎東戦では21個のアウトの内、奪三振が17と貫録を見せつけた。
背番号10の川端は最速145キロ力投型左腕だ。最大の武器のストレートを軸にスライダー、カーブ、チェンジアップも織り交ぜたピッチングが持ち味。先発もリリーフもこなせる器用さも併せ持つ。
センバツでは、名将・鍛治舎巧監督の起用法にも注目したい。
田浦文丸(秀岳館)
左投左打/170センチ75キロ
熊本工の右腕・山口翔にはセンバツでの150キロ超えに期待がかかる。
昨秋の熊本県大会で最速149キロをマークした山口だが、その名が一気に広まったのは昨夏の熊本大会準々決勝での秀岳館戦。昨年のセンバツベスト4で夏も4強まで駆け上がることになる秀岳館を、あと一歩のところまで追いつめた。
秋になり、さらに成長した山口は熊本県大会、九州大会を通じて64回を投げ、防御率1.69の好成績を残し、チームをセンバツに導いた。
四死球が多く制球に課題はあるが、自慢の速球で「熊工の山口」の名を全国区に!
山口翔(熊本工)
右投右打/180センチ73キロ
ロッテにドラフト3位で入団した最速153キロ右腕・島孝明からエースナンバーを受け継いだ金久保優斗(東海大市原望洋)も注目投手の1人だ。
島という絶対的エースのいるなか、1年秋からベンチ入りし、昨年は故障明けの島に代わって多くの試合に先発。昨夏の千葉大会2回戦、芝浦工大柏戦では5回参考ながらノーヒットノーランを達成した。
ストレートの最速は147キロ。昨秋は疲れからか平均球速が絶好調時よりも10キロ近く遅くなっていたが、それでも千葉県大会、関東大会を通じて96回2/3回を投げ、6連続完投勝利、防御率1.86とさすがの内容。キレのあるスライダーを投げるなど、高いレベルの完成度にあることをスカウト陣にアピールした。
本来のストレートを取り戻し、センバツではさらなる飛躍を期待したい。
金久保優斗(東海大市原望洋)
右投左打/180センチ72キロ
今センバツの優勝候補筆頭に挙げられる履正社。その履正社を昨秋の明治神宮大会で初優勝に導いたのがエース右腕の竹田祐だ。
質のいい最速145キロのストレートが一番の魅力だが、秋は被安打率が高かった。それはストレート頼りの球種の少なさが要因だった。
それでも、明治神宮大会決勝での早稲田実戦の9回には自己最速の145キロをマークし、6回1/3を投げて早稲田実打線を無失点に抑えるなど、抜群の勝負強さを見せた。
また、コントロールがよく四死球が少ないので、試合を壊すことはほとんどなく、ヒットを打たれても粘り強い投球ができる。勝負強さと粘りの投球でセンバツ優勝を手繰り寄せたい。
竹田祐(履正社)
右投右打/182センチ83キロ