投手の分業制が進んだことで、中継ぎ投手の成績を可視化できるようにと1996年にパ・リーグが導入したホールド記録。2005年からは新規定が定められ、両リーグが採用している。
現在の通算最多ホールドは山口鉄也(巨人)の273ホールド。山口はホールドを挙げる度に日本記録を更新している。
その山口を追うのは257ホールドの宮西尚生(日本ハム)で、その差は16ホールド。近年の勢いは宮西に分があるため、近々1位の座が入れ替わるかもしれない。
シーズン犠打記録(67犠打)は、今季から現場に復帰した宮本慎也コーチ(ヤクルトコーチ)が持っている。現役選手でその記録を更新しそうなのが、2013年と2014年にそれぞれ62犠打を成功させた今宮健太(ソフトバンク)だ。
また、今宮が1軍に定着した期間は6シーズンだが、通算では早くも270犠打を記録。巨人・川相昌弘2軍監督が23年かけて築いた日本記録、533犠打の半数を超えている。
このペースで犠打を重ねていけば、5年後には記録更新が見えてきそうだ。今宮が驚異的なペースで歴史を塗り替えるところを見たい。
現役投手が持ち、現在進行系で更新される日本記録では、昨季、岩瀬仁紀(中日)が打ち立てた登板数を忘れてはならない。
米田哲也(元阪急ほか)の949登板を抜き、954登板まで記録を伸ばしている。一時期の不調を脱したこともあり、前人未到の1000登板が見えてきた。
また、ストッパーとして積み上げた404セーブも日本記録。もはや現役選手ながら伝説の領域へと足を踏み入れている。投げるレジェンドは果たして、どこまで突き進むのか。
先駆者がとてつもない記録を打ち立てることから、なかなか記録更新とはいかない日本のプロ野球。ソフトバンク・王貞治会長が巨人時代に打ち立てた通算868本塁打などは最たる例だ。
しかし、調べていくと、塗り替えられそうな記録が出てくるのが興味深い。新記録樹立を楽しむ観点で、今季からは特に、ホールド争いと今宮の犠打に注目しようと考えている。
文=森田真悟(もりた・しんご)