まずは昨季、日本一に輝いたソフトバンク。任期切れの長谷川勇也からの指名を受けて柳田悠岐が副会長から昇格した。
過去の選手会長を見ても、斉藤和巳、川崎宗則、本多雄一、松田宣浩、長谷川勇也と、チームの顔と呼ぶべき選手が選手会長になっており、実力的にも年齢的にも柳田は適任だろう。
前任の長谷川は不調の最中に選手会長になったことで、なかなか大変な任期を過ごした。しかし、故障しつつも結果を残している柳田なら二足のわらじを履いてもしっかりと両立してくれるはずだ。
初代が長嶋茂雄、2代目が王貞治と、そうそうたるメンバーが居並ぶ巨人の選手会長。その列に菅野智之の名前が加わることになった
投手としては4人目で、過去には堀内恒夫、桑田真澄、内海哲也と、これまた巨人の歴史を作ってきた名投手が並ぶ。
最優秀防御率に3度、最多勝に1度輝いた菅野は、現時点でレジェンドと呼んでも違和感を感じないほどの成績を残している。今回、選手会長になったことで、あらためてその座は揺るぎないものになった……と言えるだろう。
ただ、巨人はここ3シーズン、リーグ優勝を逃し、昨季はBクラスに沈んだ。菅野の力でチームを再び日本一に導いてこそ、名実ともに盟主の選手会長でありレジェンドになれる。
ちなみに伯父である原辰徳も、選手会長時代にチームを日本一へと導いている。
西武は炭谷銀仁朗のプロ野球選手会会長就任したことで、選手会長の後任にストッパーの増田達至を抜擢。2017年は選手会の書記を務めていたが、2年連続で28セーブを挙げて1人立ちした守護神に大役を任せた格好だ。
さらに責任感を深めてもらうための人事ということがわかるが、やや気になることも……。
最近の西武の選手会長は中島裕之(現宏之、オリックス)、帆足和幸、栗山巧、牧田和久(パドレス)らが務めてきたが、かなりの確率で他球団へ移籍しているのだ。
増田のFA権獲得はまだ先のことだが、歴史は繰り返されるのか。
今回、取り上げた3人のほかでは、楽天は岡島豪郎、日本ハムは中島卓也、広島は會澤翼、阪神は梅野隆太郎、中日は福田永将、ヤクルトは中村悠平が新選手会長となった。
彼らがチーム編成をするわけではないが、任期の間にチームがどんな成績を残すかは気になるところ。普段はあまり気にしない部分ではあるが、今季は選手会長の仕事ぶりにも注目したい。
文=森田真悟(もりた・しんご)