福田は2006年に高校生ドラフト1巡目でソフトバンクに入団。4年目の2010年に1軍入りを果たすと、翌2011年は先発、代走、守備固めで、自身のキャリアハイにあたる97試合に出場。8年ぶり、ソフトバンクになってからは初の日本一に大きく貢献した。
しかし、福田は毎年レギュラー候補に名前が挙がりながら、なかなかレギュラーに定着できていない。
その理由の一つが、ケガでの戦線離脱が多いこと。
入団2年目の2008年には右足腓骨骨折。2009年は左足第5中足骨の疲労骨折。2011年は右足太もも裏肉離れと左肩関節亜脱臼。2012年には左大腿骨骨挫傷。2014年は右大腿骨外側膝蓋溝軟骨損傷による手術。そして、昨年は右手第4指中節骨骨折……。
活躍しているタイミングでのケガが多く、「あの時、福田がケガをしなければ今頃レギュラーだったかも」と思うシーンは、一度や二度ではなかった。
そんな福田も今季は、オープン戦から好調で開幕1軍入り。
開幕戦は1番・ライトで先発。3、4月は25試合中20試合に先発したものの、打率.266。チャンスに凡打することも多く、5月になると牧原大成や江川智晃にスタメンを明け渡すことも……。
そして運命の5月18日。
6回裏。ヒットを放った6番・ライトの江川の代走として福田が途中出場、そのままライトのポジションについた。続く7回、チャンスに福田の打順が回ってきたところで、城所が代打出場したのだ。
城所の代打3ランで歓喜に沸くベンチのなか、藤井康雄打撃コーチが福田に声を掛けていたシーンが印象的だった。
その後も打撃の調子が上がらない福田は6月2日に2軍落ち。2軍では格の違いを見せつけ、7月12日、ふたたび1軍に戻ってきた。
交流戦で大活躍した城所は、リーグ再開後は調子が下降。ライトの先発で出る機会の増えた吉村裕基も7月25日現在で打率.221と本調子とはいえない。
福田がライトのレギュラーを奪い返すチャンスは十分にある。
「キドコロ活躍中」の陰で涙を流した男の逆襲に期待したい。
文=溝手孝司(みぞて・たかし)
札幌在住。広告代理業を営みながら、ライター、イベントなどスポーツ関連の仕事もこなす。北海道生まれなのにホークスファン歴40年。
球団新の15連勝を記録した北海道日本ハムファイターズの猛追撃にビクビクする今日この頃。