NPBの公式サイトに、これまでの記録を紹介したページがある。そこに、「通算記録ランキング(現役選手)」という項目があるのだが、その打撃・走塁に関する23部門のうち、新井は9部門でトップに君臨している。次位の松井稼頭央(楽天)でも3部門(得点、二塁打、三塁打)という結果を見ると、新井がいかに突出しているかがわかる。以下に新井の現役最多記録を並べてみる。
■新井の現役最多の記録
試合:2294(谷繁元信・元中日ほか/3021試合)
打席:8597(野村克也・元南海ほか/11970打席)
打数:7760(野村克也/10472打数)
安打:2161(張本勲・元東映ほか/3085安打)
塁打:3525(王貞治・元巨人/5862塁打)
打点:1270(王貞治/2170打点)
犠飛:77(野村克也/113犠飛)
三振:1646(清原和博・元西武ほか/1955三振)
併殺打:237(野村克也/378併殺打)
(※カッコ内は歴代の最多記録とその達成者)
目安として付記した歴代トップの記録と比較するとやや物足りないように映るが、例えば打点では歴代19位で、その他も、おおむね歴代30位以内には入っている。しかも、現役選手なので、この先も数字が上乗せされ、ランキングは上昇する可能性がある。
また、三振や併殺打などのよろしくない記録も、現役を長く続け、多く試合に出ているからこそ。ある意味、勲章と言ってもいいだろう。
本来、ベテラン選手はニラミを利かせて引き締め役になるはずだが、新井のチーム内の立ち位置は「いじられキャラ」。その風通しのよさが今の広島の持ち味でもある。新井が元気なら、広島の勢いは真夏を迎えても衰えそうにない。
(成績は8月8日現在)
文=藤山剣(ふじやま・けん)