【2015夏の高校野球】《東東京観戦ガイド》有望選手と大会展望&勢力ピラミッド
7月4日〜27日(神宮球場ほか)
センバツの雪辱は左腕・大江の復調次第
東京中の監督うらやむオコエという才能
☆★☆ 投手編 ☆★☆
●打高投低の中で光る存在
今年の東東京は、例年に比べ目立った投手が少ない一方、将来的に楽しみな素材は多い。
その筆頭は2年生左腕の大江竜聖(二松学舎大付)だ。昨夏より体重が10キロ近く増え、最速は140キロを超えた。センバツでは16奪三振を記録したが初戦敗退。続く春季都大会でもコールド負けし、この衝撃からいかに立ち直るか、注目されるところだ。チームには岸田康太が控えており、ストレートは大江を上回る140キロ台半ばを記録している。
この春、頭角を現してきたのは、東海大高輪台の深澤周平と徳重勇輔だ。左腕の深澤は、スライダー、チェンジアップなどの低めの制球が抜群で、春季都大会では創価を8回まで無安打に抑えた。徳重は、スライダーのキレが鋭く、絶対的な抑えになっている。
2年前の夏、ベスト8に貢献した半田隆人(大森学園)は腰回りが大きくなり、球威が増した。鈴木健介(日体荏原)は高速のスライダーが打ちにくい。曳田敦志(成立学園)は、秋春とも都大会に進めなかったが、ストレート、スライダーともに威力がある。
佐藤康貴(上野学園)は、曲がりの大きいスライダーを武器に、秋春の都大会で3試合続けて2ケタ奪三振を記録した。
1番打者として青山学院のシード権確保に貢献した主将の大塚理貴は、ストレート、スライダーを中心とした思い切りのいい投球で勝負する。2年生の秋に好投した阿部武士(関東一)は、故障からの回復具合が気になる。帝京の稲毛田渉、伊藤靖晃の両投手は、ややまとまり過ぎているが、経験豊富で安定感もある。
▲大江竜聖(二松学舎大付)
☆★☆ 打者編 ☆★☆
●身体能力抜群のオコエ
東京の東西を問わず各校の監督が「あんな選手がいれば」と口を揃えるのは、オコエ瑠偉(関東一)だ。身体能力に優れ、長打力があり、単打や四球で出れば、すかさず盗塁する。加速が素晴らしく、50メートル6秒2という数字以上のスピード感がある。関東一には、試合経験が豊富で走攻守三拍子揃った伊藤雅人、長打力のある五十嵐滉希など好選手が多い。
二松学舎大付も負けてはいない。ファイタータイプの捕手・今村大輝と外野手の岡田浩輝は長打力がある。センバツ以降4番を打っている北本一樹は本来2番タイプで、状況に応じたつなぎの打撃ができる。二塁手の三口英斗は、身長162センチと小柄だが、スイングが速く、長打力もある。
中道大波(帝京)は、昨夏3番を打ち、打率・429を記録。身長185センチの体格もあり、大型打者として期待されたが、春は不調で評価を下げた。中道の復調が、帝京の浮沈にかかってくるといっても過言ではない。
藤谷耕平(成立学園)は、守備に難があるものの豪快な振りの長打力は魅力だ。乗松良多(東亜学園)は、左右に打ち分ける打撃など、野球センスのよさが光る。
堀田祐樹(東海大高輪台)は捕手ながら走力があり、器用な打撃にも注目が集まっている。今のチームでは外野を守ることが多かった堀田だが、春先に大腿骨を骨折。夏に間に合うか、回復具合が気になるところだ。
▲オコエ瑠偉(関東一)
☆★☆ 大会展望 ☆★☆
●関東一と二松学舎大付の戦力が充実
春季都大会ベスト4の関東一とセンバツ出場の二松学舎大付が、戦力の充実ぶりで大きくリード。これに対し、名門・帝京がどこまで戦力を整えて巻き返すかが注目されるところだ。この3校に続くグループは大差がなく、混戦が予想される。東海大高輪台は、ノーシードながら投手2本柱がしっかりしている。同じくノーシードの日体荏原、大森学園、成立学園にも好投手がいるため、侮れない。青山学院、江戸川、墨田工といったシード校も旋風を巻き起こす力はある。
地区勢力ピラミッド
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