7月9日〜26日(オロナミンC球場)
鳴門が県内前人未到の夏5連覇に王手!
140キロ投手を5人を擁し独走体勢か
●鳴門「140キロ5人衆」誕生
「河野竜生が145キロ、松本凌斗が141キロ。矢竹将弥が140キロに尾崎海晴が140キロ。あ、中山晶量も昨年の今ごろ146キロを出していますね。スピードは意識させていませんが」
こうサラっと最速数値を公開したのは鳴門の福本学コーチ。しかも河野以下の利き腕とフォームは「左上・右上・左上・右横・右上」。こんなヨリドリミドリの投手陣は空前絶後だろう。
とはいえ、マウンドに立てるのは1人だけ。1年夏から甲子園の舞台を経験した中山は直近の公式戦・総体協賛ブロック大会ではベンチからも外れ、応援の太鼓を担当していた。太鼓担当といえば明治大サッカー部入学当時の「アモーレ」こと長友佑都(日本代表DF)が有名だが、中山もその系譜を継いでトップへ這い上がるのか? 太鼓でつかんだリズム感は最後の夏への糧となるのか注目。
鳴門の投手陣以外にも急成長投手は各校に点在している。鳴門渦潮の近藤壱来は元・日本ハムトレーニングコーチの花増幸二部長の指導により最速143キロまで球速を伸ばした。石本光紀(海部)も長い手足を利して最速139キロ。徳島北では2年生長身右腕コンビの前田大成と新田大輔が控える。左腕・紀本幸太郎(富岡西)のシュートや任介澪志(新野)のクロスファイアーは右打者には厄介この上ない。
増田大輝(巨人)の実弟である増田将馬(徳島商)は投手専念で徐々に投球術を覚え、大東右頌(城南)は独特のボールの持ち方で打者のタイミングをずらす。生光学園の黒石真生は昨秋、中辻颯の故障で三塁手から投手に転向。筋のよさが光り、中辻復帰後も2本柱を形成する。
そして玉岡翔太(辻)の投球も必見。162センチの小兵ながら春以降に球速を10キロ上げ、現在最速135キロ。軟投派左腕・滝上和弥とのコンビはシード校の脅威となる。
板野の2年生右腕・森井紘斗は最速144キロを記録しているものの、春の県大会後に右ヒジの疲労骨折が発覚し手術。順調にリハビリは進んでいるが、夏の出場機会は代打か野手に限られそうだ。