金足農(秋田)の快進撃に湧いた夏の甲子園が終わって早1カ月。各地で秋季大会が行われ、センバツ切符をかけた戦いが始まっている。
週刊野球太郎では「甲子園が待ちきれない! 高校野球最前線・秋の陣」と題し、高校野球の最新情報をお届け。第2回となる今回は、各地で行われている秋季大会の模様を伝えたい。
9月23日に決勝戦が行われた宮城県大会は、仙台育英が古川を17対3という大差で破り、7年連続22回目の優勝を決めた。
現時点では来年のドラフト戦線で大注目という選手はいないが、新主将の千葉蓮を中心に打線爆発。悔しい完封負けに終わった今夏の甲子園以降、打撃中心に練習してきた成果を存分に発揮した。
一方、秋田県大会準々決勝では新生・金足農が3対5で競り負け、東北大会出場を逃した。夏の甲子園の好結果を受けて、いやが上にも期待が高まった周囲の期待。どこかにプレッシャーがあったのかもしれない。再びの夏の快進撃を果たすべく巻き返しを図る。
夏の甲子園でベスト4に進出した浦和学院。近年、花咲徳栄とともに埼玉の高校野球をリードしてきたが、この秋の埼玉県大会は公立の白岡にまさかの初戦敗退を喫した。
浦和学院は初回に先制されながらもすかさず逆転。勢いに乗るかと思われたが6回に先発の美又王寿がつかまり、代わった永島竜弥も流れを止めることができず4対5で敗戦。新チームは「守備からリズムを作って攻撃につなげる」をテーマに掲げていたが、うまく波に乗れなかった。
これでセンバツ出場は絶望的になったが、裏を返せば夏までチーム作りに長い時間をかけられると考えることもできる。この敗戦を糧にパワーアップした姿を見せてほしい。
一方の白岡は2015年夏の埼玉大会準決勝でも浦和学院を4対1で下している。全国区の強豪を相手に「やればできる」を再び証明した戦いに大きな拍手を送りたい。
秋季大会の上位校から出場校が決まる来春のセンバツの実施要項が決まった。
開幕は3月23日。休養日1日を含み、4月3日まで12日間に渡って開催される。選考委員会は1月25日に開かれ、出場校が決定。組み合わせ抽選会は3月15日に毎日新聞社大阪本社で行われる。
今年は大阪桐蔭(大阪)が2年連続のセンバツ優勝を決めて、春夏連覇につなげていった。来春も3季連続優勝を狙う大阪桐蔭が王者の強さを見せつけるのか。それとも打ち破るチームが現れるのか。楽しみにしたい。
秋季大会真っ盛りの高校野球。この原稿を書いている最中にも、早い地区では各府県大会の決勝戦が行われている。
新チームになって間もないため、番狂わせが起こりやすい秋の大会。それだけに決勝戦までたどり着いたチームは、それだけで価値があるように思う。
とはいえ、北海道と東京を除くと、各府県大会を勝ち上がったら次は各地区大会が待っている。センバツ出場に向け、第一関門の決勝戦にたどり着いただけでは満足できないだろう。
次回も秋の陣を戦う選手、チームの動向をチェックしていきたい。
文=森田真悟(もりた・しんご)