名門球団にも「モノノフ旋風」到来か。巨人のドラフト4位・宇佐見真吾(城西国際大)は、「ももいろクローバーZ」のライブDVDやサイリウムを持参。気分を高めたい時やテンションを高めたい時に、彼女たちの力を借りるそう。推しメンであるリーダー・百田夏菜子のように、将来的にはチームを引っ張る存在を目指す。
また、宇佐見はももクロの妹分・「チームしゃちほこ」のグッズも持ち込んでおり、“アイドルDD(アイドルなら誰でも大好き)”の素養があるかもしれない。
一方、中日のドラフト6位・石岡諒太(JR東日本)は、高校時代から大のAKB48ファン。ミュージックビデオ集を持ち込み、リラックスアイテムとして活用する予定だ。
推しメンは“ぱるる”こと島崎遥香で、好きな楽曲は彼女がセンターポジションを務めた『僕たちは戦わない』。プロ野球選手として「戦わない」のはどうかと思うが、逆にオンとオフの切り替えにはもってこいかも。
ついに、二次元オタクがプロ野球選手になる時代が来た。DeNAのドラフト7位・野川拓斗(鷺宮製作所)はバーチャルアイドル・初音ミクのぬいぐるみを持参。
社会人時代から、ガチヲタとして一部ファンからは知られており、好きなアニメに「俺、ツインテールになります。」を挙げる。付いたあだ名は「オタク」と名前の「拓斗」を合わせた“オタクト”。周囲から見ても、間違いなくオタク道を突っ走っているのだろう。
球界では田中将大(ヤンキース)が“アイドルDD”として様々なグループとの交流を持ち、昨季トリプルスリーを達成した柳田悠岐(ソフトバンク)は熱心な“モノノフ”として知られる。彼らのように野球もオタクも極めることで、上記の3人には双方のファンに愛される「選手としての幅の広さ」を見せてもらいたい。
文=加賀一輝(かが・いっき)
ダルビッシュ有と田中将大に挟まれた世代の野球好き。地元・中日と、初めて仕事を受け持ったオリックスを中心に、プロアマ海外問わず各地の野球を愛でる。外野応援、メディア、登場曲など、野球の周辺にあるカルチャーが大好物。