いよいよ本日、第97回全国高校野球選手権大会の組み合わせ抽選会が行われる。1915年に第1回全国中等学校優勝野球大会が開催されてから、100周年を迎えた記念大会となる。改めて抽選会のルールや、実現すれば盛り上がること間違いなしの「因縁の対決」を紹介しよう。
夏の甲子園大会の組合せ抽選といえば、かつては同じ地区の出場校が初戦から対戦しないようにと、初戦は東西にチームを分けて対戦するよう抽選していた。
しかし、一昨年からは東西にチームを分けずに抽選を行う方式を採用。初戦から、近隣県同士が対戦する可能性がある。また、本来のトーナメントであれば、1回戦を勝てば、2回戦はこの勝者と、3回戦はここの勝者と……、あらかじめ対戦相手が見えているが、甲子園ではその都度、抽選して決める(試合間隔に差が出ないように、ある程度の割り振りは決まっている)ので、くじ引きがあるまで、次の対戦チームはわからない。監督や選手たちは次に戦う相手の研究がやりにくいかもしれないが、外野から見ていると、どんな対戦カードになるのか、という楽しみもある。
完全にフリーで抽選は行われるので、1回戦から優勝候補と当たる確率は全校において平等にある。「勝ち進めば、いずれどこかで対戦する」という自信家はさておき、なるべく長い間、甲子園に滞在したいと考えるのは普通の高校生。どの参加校も、センバツ優勝校の敦賀気比や、小笠原慎之介と吉田凌の左右のエースを揃えた東海大相模や、センバツで8強入りし、3季連続甲子園出場の静岡、戦後最長記録となる9年連続で出場する聖光学院などとは初戦で当たりたくないだろう。
他にも、夏の甲子園全国最多36回目の出場となる北海、同じく27回目の出場の天理や中京大中京も注目チーム。今大会は、「高校野球100周年」ということもあってか、伝統と実績あるチームが多く出揃った印象がある。
夏の甲子園には21回目の出場となる智辯和歌山と、17回目の出場の明徳義塾も伝統と実績あるチームだ。特にこの両チームには、因縁めいた関係もある。
2002年夏の決勝戦でも激突した。名門同士の戦いに相応しい一戦は、明徳義塾が勝利。初の全国制覇を成し遂げた。
そして、昨年のセンバツでは、なんと両チームが1回戦で対決。試合は延長15回に及ぶ死闘となり、明徳義塾が3−2でサヨナラ勝ちを収めた。試合内容はもちろん、智辯和歌山・高嶋仁監督、明徳義塾・馬淵史郎監督の知将対決も見応え十分だった。両監督は普段から懇意にしていることもあり、初戦での対戦はやりにくかったという。
高嶋監督は甲子園最多勝記録の63勝(31敗)をマークしている一方、馬淵監督は甲子園で45勝(25敗)を積み重ね、歴代5位の成績を残している。両監督合わせて100勝オーバーの重みある試合は、1回戦でなくとも、また見てみたい試合だ。ちなみに、馬淵監督は夏の甲子園初戦は負けなしの16連勝中である。