今年も3月11日がやってきた。東日本大震災後に起きた、プロ野球公式戦の開幕日を巡る騒動も、今や懐かしい記憶だ。
震災からちょうど3年目の「3・11」にあたる記事更新日、多くの方が14時46分にあわせ、黙祷を捧げるのではないだろうか。それも確かに大切なこと。だが、本当に必要なことは年に1度の黙祷よりも、毎日の生活の中で少しずつでも震災復興のためにできることはないかを考え、ちょっとしたアクションを起こすことだったりする。
そこで提案したいのが、金沢カレーブームの火付け役、全国チェーン「ゴーゴーカレー」が販売する震災支援メニュー「復カツカレー」だ。大きなロースカツとチキンカツが2枚乗った贅沢なカレーは、ボリュームに満足できるだけでなく、カレー1杯につき100円を「日刊スポーツ東日本大震災救援募金」に寄付してくれる。つまり、“複数のカツ”と“復活支援“という、2重の意味で嬉しい商品になっているのだ。寄付金は、3月はじめの時点で5000万円を突破。また、ゴーゴーカレーではこの寄付活動以外でも、被災地での炊き出しや野球教室を定期的に行っている。
野球界でこの活動を支援しているのが、解説者の工藤公康氏(元西武ほか)だ。工藤氏は5月5日生まれ。「ゴーゴーカレー」にとってのハッピーナンバーつながりの縁もあって、被災地での少年野球教室開催を打診すると、工藤氏は快く承諾したという。2011年6月から始まったゴーゴーカレーと工藤氏による野球教室は、これまで福島県、宮城県、岩手県などで14回を数えている。
昨年7月に行われた10回目の野球教室は、津波被害が甚大だった岩手県宮古市の田老町で開催。宮古市内のスポーツ少年団7団体と中学野球部約100名が参加する盛況ぶりだった。野球教室では、正しいボールの握りや、キャッチボールの意義といった基本的な部分はもちろん、ケガを防ぐためのストレッチの重要性なども訴えた工藤氏。また、テニスラケットを使ったリリースポイントの感覚を掴むための練習法や、卓球のラケットを使った打席での踏み込み方や手首の使い方を覚えるための練習法など、ユニークな練習法も伝授。炊き出しのカレーとともに、野球少年たちの笑顔を引き出している。
あなたの食べる一杯のカレーが、また次の野球教室や寄付金につながっていく。「期間限定メニュー」は謳っているが、もう少し続きそうなこの「復カツカレー」。早速、今日のランチからいかがだろうか。
◎ゴーゴーカレーの「復カツカレー」(850円)。テイクアウトも可能です。