松葉は2014年に21試合に先発し8勝1敗、防御率2.77の成績を残した。その後、侍ジャパンのメンバーに選ばれ、より一層の活躍が期待された。
しかし2015年は18試合で3勝6敗、防御率4.28と前年より失速。制球に苦しみ、四球を出して失点を重ねるのが悪いパターンだった。
今年は中継ぎで4試合を投げ、その後先発にまわる。4月29日の楽天戦で6回を投げ7安打2失点とクオリティ・スタートの結果を残す。そして5月7日のロッテ戦では6回5安打無失点と好投。どちらの試合も勝ちにはつながらなかったが、先発としては申し分ない投球内容だった。
今年の松葉は、制球が安定してきて四球の数が減った。思い切って腕が振れているように見える。こうなると松葉の武器であるクロスファイアーが生きてくるだろう。次回以降の登板に期待したい。
ドラフト1位で入団した昨年は、開幕から先発ローテーションに入ったが、なかなか結果を残すことができなかった。初勝利は6月5日の中日戦、5試合目の登板だった。
シーズンの成績は17試合3勝6敗、防御率4.53。調子が悪いときは、制球が定まらず球数が多くなる。一旦崩れると修正が効かなくなり、短いイニングでノックアウトされてしまう。
昨オフには吉田一将とともに、プエルトリコのウインターリーグに参加した。山崎福はある試合で、7回までをノーヒットに抑える好投をみせる。ウインターリーグの環境が、彼をたくましく育てたのだろうか。日焼けした顔が精悍に見えた。
今年は、4月14日の日本ハム戦に先発し、6回4安打無失点で降板。その後を受けたリリーフ陣の完封リレーで勝利投手となる。この日は、山崎福にとって本拠地・京セラドームでの初のヒーローインタビューであり、そのことをとても喜んでいたのが印象的だった。
その後は2試合を中継ぎで起用されたが、先発の東明大貴が不調のため、山崎福が先発に復帰する見込みだ。昨年のように、大崩れしなければ勝ちにつなげることができるだろう。
松葉や山崎福の他にも、ファームには1軍を狙う左腕投手が控えている。
育成ドラフトで入団した塚田貴之は、4月15日に早くも支配下登録された。サイドハンドから繰り出すスライダーが武器。意外と早く、1軍のマウンドで見ることができるかもしれない。
社会人出身の大山暁史と坂寄晴一は、いずれもワンポイントや短いイニングのリリーフとして活躍し、結果を残している。
本稿で名前を挙げた投手たちは、オリックスにとっては貴重な左腕投手。彼らの活躍無くして、上位浮上はあり得ない。
文=矢上豊(やがみ・ゆたか)
大阪在住の山本昌世代。初めてのプロ野球観戦は、今はなき大阪球場での南海対阪急戦と、生粋の関西パ・リーグ党。以来、阪急、オリックス一筋の熱狂的ファン。プロ野球のみならず、関西の大学、社会人などのアマチュア野球も年間を通じて観戦中。