CSに出場できるチームは両リーグとも3位までのチーム。つまり3位に入っていれば負け越しているチームでもCSに出場することができる。これには様々な議論があるようだが、つまりちょっと借金が残っているDeNAにも十分にチャンスがあるということだ。
セ・リーグにおいてCSが導入されたのは2007年。今季で10年目を迎えるが、リーグ3位でCSを勝ち抜いたチームはまだ現れていない。
パ・リーグでは唯一、2010年にリーグ3位のロッテが優勝。当時の捕手・里崎智也が「史上最大の下剋上」とコメントしたあの年のことだ。
ファーストステージでの3戦2勝、その次のファイナルステージで6戦4勝(リーグ優勝チームには1勝が付与される)、その後の日本シリーズで7戦4勝と勝利を収めるには、短期決戦の妙に左右されることは少なく、地力に勝るチームがほとんどのシーズンを制してきたといえよう。
今季のDeNAは打線の好不調の波が激しい。今はまったくの沈黙状態だ。
7月下旬頃の好調時の状態に戻るタイミングでうまくCSに臨めれば、投打がかみ合い、短期決戦を乗り切れるかもしれない。
もし現状の3位でCSに進んだら、ファーストステージはおそらく巨人との対戦となる。
今季、巨人との対戦成績は9勝10敗1分と負け越し。さらに勝ち抜いた場合、ファイナルステージで戦うであろう広島とは今季、10勝10敗と5分の対戦成績。
可能性は低いが、仮に大きく負け越している阪神がCSの相手となると、きつい短期決戦となるだろう。
CSのような短期決戦に慣れている巨人、DeNAほどではないが短期決戦の経験が浅い広島とあいまみえることになりそうな、今年のCS。DeNAがかき回し、混戦から奇跡を呼び込みたい! と妄想してみる。
文=元井靖行(もとい・やすゆき)