フューチャーズリーグとは、韓国プロ野球の2軍リーグ。今年はKBOフューチャーズリーグの名称で開催され、12チームが北部、南部の2リーグに分かれて各96試合ずつ戦っている。
ホークス3軍は、このフューチャーズリーグに2012年からオープン参加。エキシビジョンゲーム扱いではあるものの韓国2軍と対戦している。
今年は6月10日から19日、7月1日から7日にかけて、5球団を相手に全15試合が組まれた。結果は3勝8敗(雨天のため4試合中止)。これでフューチャーズリーグには5年連続負け越し。通算26勝48敗4分と大きく負け越している。
しかし、勝ち負けよりも選手の底上げと育成が目標の3軍にとって、他国のプロ球団と戦えることは、経験値を上げる価値がある。
2012年のフューチャーズリーグには、ルーキーだった武田翔太が参戦。5月24日のLGツインズ戦では5回4失点で敗戦投手となるも、続く5月30日のSKワイバーンズ戦では6回1失点と好投した。
帰国した武田は6月に2軍へ昇格。先発した3試合でいずれも5回を投げ、防御率1.80と結果を残した。7月には1軍昇格。プロ初登板初先発初勝利を果たす。
5月には3軍だった男は、その後、1軍の先発ローテーションの一角を担うことに。最終的に11試合に登板し8勝1敗という好成績を記録した。
2014年には、ルーキーの上林誠知が全19試合に先発出場。打率.303、2本塁打、11打点と結果を残し大きく自信をつけた。
そして2015年には、2軍で首位打者と盗塁王のタイトルを獲った上林。1軍でも満塁本塁打を放つなど、その存在を大きくアピールした。
今年のフューチャーズリーグでの収穫は、2014年のドラフト1位・松本裕樹だろう。
右ヒジ痛の影響で昨季はリハビリに費やした松本が、今年は3軍に帯同。
先の韓国遠征では、6月10日のKIAタイガース戦を7回2失点で勝利投手になるなど、3試合に先発して、防御率は2.84。大きく進化した姿を見せた。
武田のように、韓国遠征で結果を出してまずは2軍へ。そこから1軍昇格への道を歩むことができるか? 注目していきたい。
文=溝手孝司(みぞて・たかし)
札幌在住。広告代理店を運営する46歳。雑誌やラジオなどでライターとしても活動中。北海道生まれ北海道育ちにもかかわらず小さい頃からホークスファン。今年は断トツ優勝かと思いきやファイターズの猛攻にビビりつつある今日この頃。