タレント、文化人、そして一般の人々と様々なジャンルの人間が活躍している動画サイト・YouTube。日に日に増えるYouTuberだが、その波は野球界にも押し寄せており、OBたちが自分のチャンネルを立ち上げてプロ野球界の裏や表の舞台を披露している。
今回はそんなプロ野球YouTuberの紹介をしていきたい。
(※チャンネルの登録者数は12月13日現在)
■『Satozaki Channel』/里崎智也
登録者数:19.7万人
更新頻度:ほぼ毎日
里崎智也(元ロッテ)が2019年のシーズン開幕と同時に解説したチャンネル。基本的には野球関連の時事ネタをテーマに、里崎とアシスタント2人の掛け合いで進んでいく。
ときには「FA改革案」「監督会が必要!」などプロ野球界の構造にも切り込んで、里崎が私見を披露。その様子はさながら「若手の論客」といった雰囲気だ。
また捕手について解説するオリジナルコンテンツ「里崎塾」を展開。プロの頂点を極めた捕手が真髄を語っているので、ファンだけでなくプレーヤーにも見てほしい内容となっている。
■『高木豊』/高木豊
登録者数:17万人
更新頻度:ほぼ毎日
自分の名前をそのままチャンネル名にするという、わかりやすさ満点の高木豊(元大洋ほか)のチャンネル。
里崎と同様に基本テーマは時事ネタだが、頻繁にゲストを招くのが特徴。辻発彦監督(西武)、大魔神・佐々木主浩(元マリナーズほか)、谷繁元信(元中日ほか)などから、極楽とんぼの山本圭壱、女子野球選手まで幅広くコラボしている。
筆者的には西武ファンということもあり、6回にわたって投稿された辻監督の回が興味深かった。世代を超えて楽しめる内容もいいところだろう。
■『Yu Darvishu』/ダルビッシュ有
登録者数:39.9万人
更新頻度:2日おき
野球ファンだけでなく、日本のYouTubeを見ている人すべてを驚かせた感のあるダルビッシュ有(カブス)の配信。チャンネル自体は2年前から開設していたが、プレーやトレーニングの様子を映したものだったので、まさかカメラを前にしてのひとり語りが始まるとは…といったところだ。
内容は自身の思い出、投球テクニック、メジャーリーグでの秘話など充実している一方で、時間的には短いときは6分程度とサクッと見られる手頃さもある。これまでで一番再生回数が多かったのは「新庄剛志(元日本ハムほか)についての話」で、80万回再生された。
ひとり語り動画を始めるにあたってダルビッシュ本人は「ゴール地点を決めている」と語り、その目標収益金額も達成。これから投稿頻度は落ちるようだが、貴重な現役選手YouTuberだけにできる限り続けてほしいものだ。
ほかにも片岡篤史(元阪神ほか)やニコニコ動画と連動して生配信している金村義明(元近鉄ほか)もいるが、今のファンの関心事は新庄剛志か。復帰に向けた過程を投稿していくということで、現役から遠のいても突飛な発想は変わっていなかった。
OBのメディア出演といえばテレビやラジオの解説がメインだっただけに、ひと昔なら考えられなかった状況が広がっている。
自分の思いや考えを発信するのに最適な場所であるYouTube。なんのフィルターもかからない分、発言の責任もすべて自分で負うことになるが、注目度は間違いなく今一番なので、今後もどんどんプロ野球OBのYouTuberは増えていくだろう。
文=森田真悟(もりた・しんご)