プロ野球を「コストパフォーマンス」で見ていくこの企画。今回のテーマは「チーム総失点数」だ。どのチームが「失点に対してお金をかけて防ごうとしたのか」が見えてくるはず。まずは、8月末時点での各球団が1失点に擁した額を算出してみよう。
球団 総年俸 失点 1失点の値段
1 ソ 47億1940万円 376 12,551,596円
2 巨 46億5430万円 378 12,312,963円
3 オ 38億3895万円 456 8,418,750円
4 神 33億4720万円 477 7,017,191円
5 広 25億7341万円 399 6,449,649円
6 ヤ 27億3780万円 451 6,070,510円
7 中 25億5247万円 433 5,894,850円
8 ロ 24億5155万円 469 5,227,186円
9 西 24億5620万円 489 5,022,904円
10 日 23億4395万円 467 5,019,165円
11 楽 23億6890万円 473 5,008,245円
12 横 22億6610万円 498 4,550,402円
日=日本ハム・横=DeNA・西=西武・ロ=ロッテ・ヤ=ヤクルト・広=広島・中=中日・楽=楽天・神=阪神・ソ=ソフトバンク・巨=巨人・オ=オリックス
1失点に対する最高値はソフトバンクで約1255万円。
ちなみにほぼ近しい額で2位につけているのが巨人で約1230万円。
総年俸でも他の10球団を圧倒して高額な2球団が、「チーム総失点数のコスパ」でもそのままの順位に落ち着いた形だ。
だが、現在の順位で見比べると、パ・リーグの首位を爆走するソフトバンクに対して、セ・リーグ3位に甘んじている巨人。近しい投資額でこの差が生まれる背景は、「守り」で得た勢い、波を攻撃に転化できているかどうか、ではないだろうか。
『髪の毛が後退しているのではない。 私が前進しているのである』と語ったのはソフトバンク・オーナーである孫正義。まさに前進あるのみの「攻めの守備」が功を奏しているといえるだろう。
巨人としてはチーム防御率も12球団唯一の2点台。守りでもうこれ以上できることはないはずだ。正念場の残り1ヶ月、テーマは間違いなく得点力。そして来季に向けても、攻撃と防御に対する金額の割振りをどうするかが、これからの大きな課題といえる。
では、今度はランキング下位を見ていこう。最安で1失点を献上しているのはDeNAで約455万円。1位のソフトバンクとは実に800万円近い差が生じている。
12球団最安の総年俸がこの数字を生んだ要因のひとつだが、もうひとつの要因は12球団最多の総失点数であるのは間違いない。
DeNAの課題は何と言っても先発投手陣だ。中継ぎのエレラ、抑えの山?康晃を中心とした救援陣の数字はそこまで酷いものではないが、先発の柱である久保康友、三嶋一輝、三浦大輔が揃って防御率4点台。今季、打ち勝つ野球で序盤のセ・リーグをリードしたDeNAだが、これではその後の急落も頷けるというもの。
そんな「失点のバーゲンセール中」ともいえるDeNAだが、今日8日(火)からの2週間、ヤクルト戦→巨人戦→ヤクルト戦→阪神戦と、優勝争い真っただ中の上位3チームとの戦いが続く。つまり、今季セ・リーグ優勝の鍵をDeNAが握っているのだ。