楽天と一騎打ちを演じているソフトバンクは、柳田悠岐とデスパイネの本塁打コンビが見もの。
2人ともすでに20本塁打を放っているが、チーム内に20本塁打の打者を2人抱えるチームはセ・パ両リーグを通じてほかにない。それだけでツインバズーカの価値の高さがわかる。
ちなみに、2人のアベックホームランは5月24日のロッテ戦(ヤフオク!ドーム)と6月8日のヤクルト戦(ヤフオク!ドーム)の2試合だけと意外に少ない。
いずれの試合も大勝しているので、ファンはもっと2人のアベック本塁打を見てみたい気持ちが強いだろう。しかし、「どちらかが打つ」と補完し合うように打っている現状も、他球団にとっては脅威なはず。
アベックホームランが少ないと嘆くのは、他球団にしてみればぜいたくな悩みだ。
1試合平均4.78得点を奪った昨季以上の破壊力を見せつけ、今季は1試合平均5.39得点を奪っている広島。その原動力となっているのが鈴木誠也、エルドレッド、丸佳浩の赤ヘル打線の中核を担うトリオだ。
打点ランキング首位タイの鈴木誠也が61打点。21本塁打に得点圏打率.381のエルドレッドが57打点、得点圏打率.360の丸が52打点と、3人で170打点を荒稼ぎしている。
セ・リーグのほかのチームでは、打撃陣が充実してきたDeNAのロペス(61打点)、筒香嘉智(43打点)、戸柱恭孝(40打点)のトリオが健闘。3人で144打点を挙げているが、広島の破壊力には及ばない。
広島に唯一対抗できるのはソフトバンクの中軸。柳田(67打点)、デスパイネ(59打点)、内川聖一(45打点)が171打点と合計では広島を1打点上回っている。しかし、トリオが揃って50打点以上挙げているのは広島だけだ。
また、そのトリオのうち2人が高卒野手というのも広島ならでは。育成力の高さを示す結果が出ている。
続いては盗塁を見ていこう。セ・リーグは田中広輔(広島)と大島洋平(中日)が16個で1位タイ。パ・リーグは西川遥輝(日本ハム)が23個で首位に立っている。
ただ、コンビという観点だと、西武と中日が注目だ。
西武はルーキー・源田壮亮がランキング2位の22盗塁、外崎修汰が3位の13盗塁で2人合わせて35盗塁。中日は大島の16盗塁に2位・京田陽大の15盗塁を合わせて31盗塁と、足で相手バッテリーをかく乱中だ。
なお、2ケタ盗塁を記録する選手が2人いるチームは西武と中日のみ。
西川(23盗塁)と田中賢介(7盗塁)の日本ハムコンビも30盗塁に達しているが、田中の盗塁数はやや物足りず、西川頼みの感は否めない。コンビで盗塁数を伸ばしてこそ、相乗効果がより発揮されるというものだろう。
西武と中日の快速コンビがどこまで盗塁数を伸ばし、コンビとしての相乗効果を上げていくのか注目したい。
1人の選手が1シーズン通じての好成績を残すだけでも大変なプロ野球。それだけに名ユニットの出現は奇跡のようなものだろうか。
1+1が2どころか、3にも4にもなるユニット。そうそうお目にかかれるものではなく、ファンはロマンを感じ、熱狂するのだろう。
今回紹介したユニットは、レジェンドという名の山をどこまで登ってゆけるだろうか。今季の残り、そして来季以降にも思いを馳せたい。
(成績、結果は7月5日現在)
文=森田真悟(もりた・しんご)