世界ベスト4が決まった「WBSCプレミア12」。2週間にわたって繰り広げられた、国の威信をかけた戦いも大詰めを迎えている。
我らが侍ジャパンも1次ラウンドを全勝で突破。決勝ラウンドに駒を進めた。その1次ラウンド全5戦で4番を務めたのが中村剛也(西武)だった。
小久保JAPAN発足以降、全試合で4番をつとめてきたのは中田翔(日本ハム)。しかし大会前までは決して結果が出ていたとはいえず、中村に白羽の矢がたったというわけだ。
ところが大会に入ってみれば、今度はその中村が絶不調。打順降格の憂き目をみた中田が大活躍している結果となっている。
しかし、中村の実力はこんなものではないはず。今年のレギュラーシーズンでは37本のホームランを放ち、2年連続6回目のタイトルを獲得した中村。このホームラン王6回というのは、以下のランキングのとおり、かなりの偉業だ。
ちなみに3回獲得しているのは10人で、現役ではバレンティン(ヤクルト)のみ。
名だたる大打者に混じって、中村は堂々の3位にランクインしている。まさに歴史的なホームランバッターといっても過言ではない。
現在32歳の中村。王貞治の記録を塗り替える歴代最多となる16回を達成できるかどうかは微妙だが、あと4回加えての単独2位なら可能性はあるだろう。
プロ入り13年間で、規定打席に到達した年は必ず本塁打王となっている中村。つまり、タイトルを取れるかどうかは自分との戦いともいえる。
16日のプレミア12準々決勝では右太ももの張りで急遽、欠場した中村。巻き返しを期待するとともに、来シーズンもアーチ量産に期待したい。
文=藤山剣(ふじやま・けん)