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《見る前に読む! 侍ジャパンのキモ》投手編 まずは菅野智之がキューバ斬り!? 牧田和久の経験も◎


 いよいよ3月6日に2017WBCが開幕。週刊野球太郎では「見る前」に押さえておきたい侍ジャパンのポイントをチェック。今回は大谷翔平(日本ハム)の離脱で揺れる「投手編だ」。

今回の侍ジャパンは「投手中心の守りのチーム」


 侍ジャパンを率いる小久保裕紀監督によると、今回の選出メンバーを「投手を中心とした守りのチーム」だ。

 それだけに、投手の選出はずいぶんと頭を悩ませたという。苦心の末、選ばれた投手陣のラインナップと昨年の成績は以下のとおり。

■先発タイプ
菅野智之(巨人):26試合/9勝6敗/防御率2.01
則本昂大(楽天):28試合/11勝11敗/防御率2.91
藤浪晋太郎(阪神):26試合/7勝11敗/防御率3.25
石川歩(ロッテ):23試合/14勝5敗/防御率2.16
千賀滉大(ソフトバンク):25試合/12勝3敗/防御率2.61
武田翔太(ソフトバンク):27試合/14勝8敗/防御率2.95

■リリーフタイプ
増井浩俊(日本ハム):30試合/10勝3敗/10セーブ/防御率2.44
松井裕樹(楽天):58試合/1勝4敗/30セーブ/防御率3.32
秋吉亮(ヤクルト):70試合/3勝4敗/19セーブ/防御率2.19
宮西尚生(日本ハム):58試合/3勝1敗/2セーブ/防御率1.52
岡田俊哉(中日):57試合/3勝1敗/防御率3.20
牧田和久(西武):50試合/7勝1敗/防御率1.60
平野佳寿(オリックス):58試合/4勝4敗/31セーブ/防御率1.92

(※セーブの記載のない投手は「0セーブ」。増井は昨シーズンの途中から先発に転向し、成績も主に先発登板で挙げたもの。しかし、今季はクローザーへの再転向を表明しているため「リリーフタイプ」に入れた)

 また、1次ラウンド、2次ラウンド、決勝ラウンドの日程と日本の対戦相手は以下の予定となっている。

■1次ラウンド(プールB・東京ドーム)
3月7日(火):対キューバ
3月8日(水):対オーストラリア
3月10日(金):対中国

※4チーム中上位2チームが2次ラウンドに進出

■2次ラウンド(プールE・東京ドーム)
3月12日(日):対戦相手未定
3月14日(火):対戦未定
3月15日(水):対戦未定

※日程は1次ラウンド1位・2位でも同じ。2次ラウンドは4チーム中上位2チームが準決勝へ進出

■決勝ラウンド(米国・ドジャースタジアム)
準決勝
3月21日(火)or 3月22日(水)

決勝
3月23日(木)

※試合日は日本時間。準決勝は、日本が2次ラウンド1位なら22日、2位なら21日に行われる。

初戦・キューバ戦の先発は菅野智之か


 日本が決勝まで勝ち残った場合、試合数は1次ラウンドで3試合、2次ラウンドで3試合、準決勝、決勝それぞれ1試合のトータル8試合。大会前の段階で流動的の日程は準決勝だけなので、全体を見通しての投手起用のプランは立てやすい。

 なお、今大会も登板時の球数制限があり、1次ラウンドが65球、2次ラウンドが80球、準決勝以降は95球となっている。

 小久保監督は、1月24日のメンバー発表時の会見で、先発候補として大谷翔平(日本ハム)、菅野智之(巨人)、則本昂大(楽天)、石川歩(ロッテ)の名を挙げていた。ところが大谷は、右足首の痛みなどで状態が上がらずWBCへの出場は断念となってしまった。

 1次ラウンド最大の山場とも言える初戦(3月7日・キューバ戦)の先発として大谷が内定していただけに、このリタイアは痛いが、出られない選手のことを考えても仕方ない。キューバ戦は、菅野が先発となるか。

 2015年秋のプレミア12では、2試合に登板した菅野。アメリカ戦では先発で4回2失点、メキシコ戦では2番手として3回1失点と、まずまずの内容だった。

 昨シーズンは、援護に恵まれない試合が多く9勝どまりだったが、防御率御率2.01は12球団一。安定感は抜群だ。

 キューバは、一部で噂されていたメジャーリーガーの参加は見送られ、国内リーグの選手を中心とした編成。決して楽観視はできないが、菅野が本来の力を出せれば日本の流れに持ち込める。

 次戦以降の先発となる則本、石川らを勇気づけられるような快投を期待したい。


投手陣の課題は今回も「継投策」


 リリーフ陣も充実したメンバーだが、「継投策」が近年の侍ジャパンの大きな課題となっている。今回も継投については簡単ではないだろう。球数制限があるため、毎試合、数人の投手で臨むことになるが、とくに、クローザーが流動的なのは懸念材料だ。

 プレミア12の準決勝・韓国戦では、3点リードで9回を迎えながら、最後を締めきれずに逆転され涙を呑んだ。その二の舞だけは避けなければいけない。

 小久保監督はクローザーについて「平野(佳寿・オリックス)と松井(裕樹・楽天)になるが、そのときに状態のいい投手を使うことになる」と会見で話していた。強化試合などを重ねながら、本番での役割は固まっていくはず。

 また、セットアッパーの役割も重要。牧田和久(西武)や秋吉亮(ヤクルト)といった相手打者が戸惑いそうな変則タイプ、昨年11月の侍ジャパンの強化試合でも好投を見せた宮西尚生(日本ハム)や岡田俊哉(岡田)らをタイミングよく使いたいところだ。

 とくに牧田は、前回のWBC、昨春のプレミア12でトータル5試合に登板し無失点に抑えているように、国際試合でも臆することなく自分の投球ができる。先発、ロングリリーフ、クローザーの経験があり、ユーティリティー性の高さは日本球界ナンバーワンだ。今大会の侍ジャパン投手陣のキーマンになってくるのではないか。

 継投策は、成功すれば選手が称賛され、失敗すれば「あの場面なら〇〇投手を使うべきだった」と、後出しジャンケン的なバッシングが噴出する。首脳陣の心中をお察しするばかりだが、それもこれも野球ファンの注目度と期待度の高さゆえ。なんとかベストの形を早い段階で探り当ててもらいたい。


文=藤山剣(ふじやま・けん)

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