シーズン佳境のプロ野球。今回は過熱する最終盤の争いを横目にシーズン終了後のイベントについて思いを馳せてみたい。そうプレミア12である。
侍ジャパンの選手選考に稲葉篤紀監督も頭を悩ませているだろうが、ここでは筆者が独断で考える「侍ジャパン・最強のメンバー」を披露したい。
侍ジャパンというと12球団のなかからベストの選手を広く集めたくなるが、守備の連係などを考えると既存のチームの陣容をベースにしたいというのが筆者の持論。とくに今年はおあつらえ向きのチームが2つあるので、そこを軸に味つけをしていく。
その2チームとはソフトバンクと西武だ。鷹の投手陣と獅子の打撃陣という12球団屈指の陣容をミックスすれば、世界と渡り合えるチームを容易に作ることができる。もちろん足りない部分は他球団の選手で補えば問題ない。
これなら、もともとの能力は間違いないうえに連係の心配もわずかで済む。次の章から、具体的な選手選考をしていきたい。
まずは投手陣から見ていこう。枠は前回2015年のプレミア12にならって13人を想定。
先発は6人。ソフトバンクのダブルエース・千賀滉大と高橋礼に、有原航平(日本ハム)、今永昇太(DeNA)というセパ最多勝候補を加え、さらに菅野智之(巨人)、伸び盛りの柳裕也(中日)を加えたメンバーで挑みたい。
ブルペン陣だが、まずストッパーは森唯斗(ソフトバンク)が筆頭。そのうえで松井裕樹(楽天)を招集することで、左右の盤石な構えを形成することができる。さらに中継ぎ経験のある増田達至(西武)も加えて相手の8、9回をシャットアウトする。
残る4枠は鉄腕・宮西尚生(日本ハム)、頭角を現した平井克典(西武)、左殺しとして岩崎優(阪神)、ハマの小魔神・山?康晃(DeNA)でやりくりすることで勝利の方程式は完成する。
続いて打撃陣。捕手は森友哉(西武)と甲斐拓也(ソフトバンク)が双璧。第3捕手が難しいところだが稲葉監督と縁の深い日本ハム枠で清水優心を抜擢したい。
内野手は山川穂高、外崎修汰、中村剛也、源田壮亮の西武・山賊軍団に、坂本勇人と岡本和真の巨人コンビ、山田哲人と村上宗隆のヤクルトコンビの8人で決定。控えを含めた豪華さはまさに鬼に金棒といったところ。
外野手4人だが秋山翔吾(西武)は鉄板。そのうえで山賊枠として金子侑司(西武)を推したい。打率は.251前後で39盗塁(9月17日時点)の脚力は驚異。今大会のジョーカーとして期待したい。
残る2人は鈴木誠也(広島)と吉田正尚(オリックス)。コンディションに心配のある柳田悠岐(ソフトバンク)を欠いてもしっかりと次が出てくるところが、プロ野球界の層の厚さを物語っている。
日本における代表チームを思い浮かべると、幕の内弁当的なドリームチームが連想される。ワクワク感は半端ないので筆者も見てみたい。ただ、その一方で連係の整備不足が負けの理由にされることが多いため、この幕の内弁当的な選考方法に疑問を感じることもしばしばあった。
ペナントレース同様、国際試合でもチームワークが重視されることが多いので、それならば単に“ベストな個”を並べるよりも。もともとあるシナジー(相乗効果)を生かすべきだろう。今年にいたってはシナジーが発揮されているチームがリーグの優勝を争っているので、利用しない手はない。
第1回と第2回のWBCはイチロー(元マリナーズほか)がいて、彼を中心としたシナジーが生まれたことで好結果につながった。イチローほどのカリスマ的リーダーがいない今となっては、もとからNPBチーム内にあるシナジーの力を生かして戦うべきだと考える。
文=森田真悟(もりた・しんご)