高校野球の最前線をお伝えする連載企画『高校野球最前線 秋の陣!』。先週、目についたニュースをお伝えしよう。
11月20日、明治神宮大会決勝が行われ、中京大中京が健大高崎を4対3で下し、秋の日本一に輝いた。
これにより、センバツでは明治神宮枠が東海地区に1枠与えられる。東海大会優勝の中京大中京、準優勝の県岐阜商は従来の2枠で当確。3校目はどこになるのか、予想してみたい。
東海大会準決勝で敗れたのは、ともに静岡勢の藤枝明誠と加藤学園だ。東海大会準決勝のスコアは以下の通り。
藤枝明誠 5対12 中京大中京(8回コールド)
加藤学園 3対4x 県岐阜商(延長10回)
スコアだけを見ると加藤学園が優勢に見える。しかし、静岡県大会決勝では藤枝明誠が5対4のサヨナラで加藤学園を下しており、直接対決の結果では藤枝明誠が一歩リードしている。さらに明治神宮大会で躍動した中京大中京のエース・高橋宏斗から5点を奪ったこと、主に2投手の継投で戦ってきたことも選考においてプラスの要素だ。
一方、加藤学園となれば“甲子園初出場”のプレミア付き。エース・肥沼竣も上がり目で、投手力では藤枝明誠を上回っているように見える。県大会で甲子園常連校の常葉大菊川を破っているのも見逃せない。
結論を言うとまったく読めない。サクラサクのはどちらだろうか…。
北海道を除く46地区のセンバツ21世紀枠の都府県代表が発表された。この後、東北、関東など、エリアごとに1校に絞られ(12月13日発表)、さらに全国で3校が甲子園切符をつかむ。秋の好成績を伴った注目の高校を紹介したい。
磐城(福島)
福島3位から東北大会8強。台風19号の被害を乗り越え、公立で唯一の東北8強に進出。東北大会では東海大山形、能代松陽を下した。1971年夏には甲子園準優勝を果たした古豪であり、文武両道の伝統校。
近大高専(三重)
三重県大会優勝。東海大会初戦では加藤学園と延長10回、4対5の接戦を演じた。これまでも鬼屋敷正人(元巨人)を輩出するなど、三重では中堅上位の実力を保ってきたが、ここにきて大躍進。選ばれれば“高専初”だ。
奈良(奈良)
奈良4位。奈良大会3位決定戦では近畿大会優勝の天理と1対2の大接戦。天理打線が近畿、神宮で大爆発しただけに一際光る結果になった。甲子園出場は1991年春に1度。奈良県では公立最上位の進学校。
平田(島根)
昨年の21世紀枠では中国地区代表に選ばれたが惜しくも補欠1位。今年は島根県大会準優勝、中国大会8強の実績を引っさげて再選出。地元の幼稚園、保育園や小学生を対象にした「野球体験教室」を実施し、野球普及に力を入れている。
文=落合初春(おちあい・もとはる)